ブリンケン国務長官は「身分証明書における性別の選択が、自分の現在の性別と適合していない場合、それを変更するための医療機関による診断書を今後必要としないように手続きをアップデートしていきます。
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これまで政権に対し、身分証明書にジェンダーニュートラルな選択肢を新たに追加するよう働きかけてきたアメリカ自由人権協会のストラテジスト、アーリ・クリスチャン氏はこの発表に対し「より正確なパスポートが発行されることは、国中のトランスジェンダーやインターセックスの人々の人生に、極めて大きな良いインパクトを与えるでしょう。これからはパスポートの性別欄で男性・女性の他に『X』という、彼、彼女らにとって最良となる選択肢を持つことができるようになります。トランスジェンダー、ノンバイナリー、インターセックスの人々は、自分たちが何者であるかを知っており、そうした人々には自分たちが何者であるかの許可ではなく、定義が必要なのです。しかし、私たちの成すべきことはこれだけではありません。今後、あらゆる連邦政府関係機関におけるジェンダーに関するポリシーが、今回の決定に従うよう、政権に働きかけ続けていく必要があります」と、コメントした。
人権団体のヒューマン・ライツ・キャンペーンはTwitterに「国務省が多様なジェンダーの選択肢の重要性を認識したことは、世界中のLGBTQの人々への力強いメッセージとなりました。私たちは、あらゆる政府機関が同様に一歩を踏み出してくれることを楽しみにしています」と投稿した。
The 19th紙によると、全米20州とワシントンD.C.では既に住民票においてジェンダーニュートラルの「X」が選択できるようになっており、連邦と州の身分証明書におけるジェンダーの選択に矛盾が発生している。ナショナルセンター・フォー・トランスジェンダー・イコーリティ(NCTE)によると、トランスジェンダーのアメリカ国民のうち、わずか11%だけが現在の自分の身分証明書に正確な名前とジェンダーが記載されていないとされており、3分の1が身分証明書を提示した際になんらかの差別を受けた経験があるようだ。
NCTEのエグゼクティブ・ディレクターのロドリゴ・ヘン=レヒティネン氏は声明で「バイデン大統領はトランスジェンダーのアメリカ国民が直面している重要な問題について、その期待に沿うような活躍を続けています。本日の発表で、トランスジェンダーの国民たちがより確実に、所属コミュニティや公での生活に参加できるよう、連邦政府は極めて重要な一歩を踏み出したと考えています」と、発表した。
From:Biden Administration to Create Nonbinary Designation for Passports