【動画を見る】泥と人糞にまみれたフェス
映像にもあるように、主催者は観客のために――大半が若い男性客だった――清潔な飲み水の入ったタンクを用意していたが、シャワーや衛生用の水が不足していたため、大勢の観客が即席バスタブとして飲料水タンクに駆け込むハメとなり、あっという間に水は飲めなくなった。
いら立ちを募らせた観客は、清潔な水を求めて飲料タンクの給水パイプを破壊。それがさらなる惨状を引き起こした。破裂したパイプからほとばしる水が、満杯になって放置されていた仮設トイレとまじりあい、泥と排泄物の有害な混合物を生みだし、フェス参加者はその中で嬉々としてふざけあった。
「若者たちは泥だと思ってその中で転げ回っていましたが、実は人糞だったんです」。騒動を見ていた目撃者の1人はドキュメンタリーの中でこう語っている。映像には仮設トイレエリアのすぐ近くで、泥にまみれる若者たちの姿が描かれている。
「興味深いことですが、泥はこれまでずっとウッドストックの伝説で重要な役割を果たしてきました」と、ギャレット・プライス監督はローリングストーン誌に語った。「ベセルでおこなわれた最初のウッドストックの、一面泥に覆われたイメージは伝説です。94年のウッドストックでも、ナイン・インチ・ネイルズやグリーン・デイが泥まみれになって脚光を浴びました」