昨年2月にリリースされた2ndアルバム『アウトドア』では、プロデューサーにMUSIC FOR MUSICのTejeを起用。ロックバンドのフォーマットを基軸としつつ、それにとらわれないサウンドスケープを展開していた彼らだが、今回も引き続きTejeとタッグを組んで、ダンスミュージックやハイパーポップ、ゴスペルなど様々なジャンルをクロスオーバーさせながら、これまで以上に実験的な作品を作り上げた。
かねてよりフランク・オーシャンやケンドリック・ラマー、チャンス・ザ・ラッパーなどに傾倒しながらYAJICO GIRLの可能性や定義を押し広げてきたヴォーカルの四方颯人。故郷の大阪を離れ、コロナ禍で「回顧」や「ノスタルジー」をテーマに歌詞を書いたという彼の目には今、どのような景色が映っているのだろう。
─新作『Retrospective EP』はいつ頃から作り始めたのですか?
四方:前作となる2ndアルバム『アウトドア』を2021年2月にリリースして、その直後くらいからデモを作り始めました。レコーディングは5月、6月くらいだったかな。当初はアルバムやEPのようなまとまった形で出すのではなく、1曲ずつシングルを出していけたらいいなと。そのうち形になりそうな曲が5曲くらいになって、それらを仕上げていくうちに「EPで出そう」という話に落ち着きました。