イントロの長さに隠れた意図、トーキング・ヘッズの楽曲などから鳥居真道が徹底考察
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ファンクやソウルのリズムを取り入れたビートに、等身大で耳に引っかかる歌詞を載せて歌う4人組ロックバンド、トリプルファイヤーの音楽ブレインであるギタリスト・鳥居真道による連載「モヤモヤリズム考 − パンツの中の蟻を探して」。第33回はポップソングにおけるイントロのあり方を考察する。

ポップソングは今やイントロを必要としない。心にもないことを言ってみました。なぜこのような書き出しにしたかといえば、イントロ抜きで文章が始まる感じを演出したかったからです。

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昔に比べるとヒット曲のイントロがどんどん短くなっているという話をよく耳にします。その理由は次のようなものらしいです。サブスクリプションサービスでは30秒以上再生されて初めてロイヤリティが発生する。アーティストとしてはリスナーに30秒以上聴いてもらわなくてはならない。そこでスキップされることを回避するためにイントロを短くしてすぐ歌に入るようにしてリスナーの耳を引きつけたままにするわけである。そんなことがまことしやかに言われています。
 
そもそもイントロとはなんなのか。ここでは雑に歌が入るまでの時間と定義してみます。そのうえで、ビルボード・チャートのホット100を全曲チェックしてみようと試みました。けれども、気になる点が浮上しました。現代のアメリカン・ポップスのメインストリームであるところのラップでは、ほぼイントロの演奏中にスキット(と呼ぶのが正確なのでしょうか)が入ります。これを歌と呼ぶべきかどうか。またトラックメイカーのネームタグも早い段階で入ります。これは歌に含めても良いのか。あるいはウーアーといった歌詞のないコーラスはどう捉えるべきなのか。たとえば、目下ヒット中であるグラス・アニマルズの「Heat Waves」では、コーラス(サビ)が始めるのは0:41ですが、0:30あたりからすでに歌が入っています。さらにいえば、ド頭にもうっすらと歌が入っています。こうした例が示しているように、何をもってイントロとするのかは難しい問題です。コーラスが始まる箇所とするのか、歌が始まるまでの箇所とするのかで話が変わってきます。

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