【画像】irienchy、5周年ワンマンライブ写真(全9枚)
1月18日、東京・下北沢にあるライブハウス・近松は、20代の若者を中心に賑わっていた。場内はミラーボールが回り、スピーカーから流れるミッシェル・ポルナレフの「Computer's Dream」をはじめ、メロウな音楽を肴にみんなが楽しそうにお酒を飲んでいる。この日、irienchyが結成5周年を記念したワンマンライブが行われる。ステージには「こたつとみかんとイリエンチー」と書かれたバックドロップが吊るされており、その時を今か今かと待っていた。
18時30分になり、大きな拍手に迎えられて諒孟(Gt)、井口裕馬(Ba)、本多響平(Dr)がステージに姿を見せた。興奮した観客を前に、3人はおもむろにセッションを始めた。ギターの音は徐々に歪みが強くなり、ベースとドラムの演奏も速くなると、それに合わせてライトが激しく点滅。そこに宮原颯(Vo&Gt)が登場し、先ほどよりも大きな拍手が起きた。「どうもー! 俺たちがirienchyです! 全員ハッピーにして帰ります!」と元気よく発して「スーパーヒーロー」で幕を開けた。宮原は<みんなハッピーになるさと本気で思ってるんだ>と曇りのない表情で歌う。その歌は聴きようによっては、直球過ぎて恥ずかしくなるほどクサい。
宮原が「ハッピー野郎、参上!」と叫んで「藁人形の館」「ライライライ」を立て続けに投下。「5周年記念ライブ、みんな遊びに来てくれてどうもありがとう!」と改めて感謝を伝えると、宮原は照れくさそうに「あの……実は5年間やってきて、今日初めてソールドアウト!」と喜びを口にした。フロアから「おめでとうー!」と声が上がる。「ありがとう。今日はみんなに感謝の気持ちを伝えるとともに、俺たちもよくやってきたって自分を褒める1日にしたいんで、最後まで思いきり楽しんでほしいなって思います。……気合い入れてかかってきてください」と言った瞬間に、諒孟のファンキーなギターが鳴り「最強の矛」からの「ミラクルダンサー」で近松はダンスホールと化した。
ライブ中盤、宮原は何かを思い出したように笑みを浮かべた。「最近4人で過去を振り返りよったん。内輪みたいな話になりよっちゃけど、最初の頃はYouTubeをやりよってん。
後半になり本多がマイクを握った。「インスタのストーリーで質問を募集したら、ありがたいことに色々と集まったのね。
楽しいムードの中、次曲へ行く前に宮原が伝えたいことがあるという。「昨日の夜、考えたんよ。irienchyをやってきて、一番誇れることは何やろう?って。俺ね、カッコつけるわけじゃないっちゃけど、一番誇れることはirienchyを組んだことやったんよ。今思うと5年前の俺は、人の顔色ばかりうかがってしまって、自分が本当に思っとうことを全然言えんかった。そしたらさ、好きなものが何で好きなのかが分からなくなって。嫌いなことも何で嫌いなのか分からんくなった。そうやって人の顔色ばかりを気にする自分が、どんどん嫌いになっていって。

(Photo by 伊東実咲)
「その時に書いた曲が『Message』。でも、それを書いてから人に聴かせるまでが怖いわけよ。だけど曲を書いたら、不思議なことにメンバーと出会っていった。怖い中でも立ち向かったことが、5年間の大きな一歩やったんよね。みんなも『このままでいいとかいな?』という不安や、自分の想いを中々言えん時もあるやろ? そりゃあ、誰でもあるしさ。だけん、最初の一歩を踏み出せばさ……」。包み隠さず自分の弱さを曝け出す宮原の姿は、ライブの冒頭で見せた明るい雰囲気とは違った。「誰かにとっては俺らの5年間は失敗かもしれんけど、俺はめちゃくちゃ楽しいったい。全然ビビらんでええ。一歩踏み出すことをみんなにも忘れんでほしい。
静まり返る会場、真っ暗なステージで一筋のスポットライトが宮原を照らした。<考えることをやめないで/気づいた時はもう遅くて>その孤独な歌を観客は固唾を呑んで見守る。<ぶつかることをやめないで/僕みたいにならないで>寂しさがその場に充満していた。そして宮原は顔を上げて<始まった頃の気持ちは忘れちゃうんだきっと/今しかないんだよ>と歌った瞬間、スポットライトは宮原の周りを照らした。そこには諒孟、井口、本多の姿があって、彼の背中を支えるように3人の音が重なった。irienchyを結成してまもない頃、メンバーが宮原に伝えたことがある。「恥ずかしがっているのがダサい」「もっと熱くなれよ」。それが彼を「ハッピー野郎」と言わせるまでに後押ししたのだろう。今、眩いステージの上で晴れやかに声を上げている。<求める愛なんて欲張りでずるいんだきっと/伝えたらいいんだよ>。
ライブは終盤を迎えた。

irienchy(Photo by 伊東実咲)
<無料出前ライブ情報>
応募条件
以下の条件を満たせば、無料(交通費のみご協力をお願いする場合があります)で出前ライブを実施します。
1. 20人以上の仲間を集める
→ 仮の名前リストでOKです!
2. 演奏できるスペースを確保
→ 会場に応じて、アコースティックセットにも対応します。
3. ポスター20枚の掲示
→ 会場周辺の目立つ場所に貼ってください。
4. SNSでの情報発信
→ 開催前後1週間に自由な形で発信をお願いします!
5. 簡単な意気込み文
→ 幹事さんの想いや集まる仲間の雰囲気、リクエスト曲があればぜひ教えてください!
応募に必要な情報
以下を記載の上、irienchy公式HPの「Contact」フォームからお送りください。
タイトルは 「出前ライブの件」 としてください。
1. 幹事さんの名前、住所、電話番号、メールアドレス
2. 希望日時
3. 会場の情報(予定人数20人以上)
4. irienchyへのメッセージ
5. カバーしてほしい曲1曲(任意)
応募締切
2025年2月15日
開催期間は2025年1月~4月の間です。
irienchyの音楽を、あなたの大切な人たちと一緒に楽しみませんか?
https://www.irienchy.com/contact