【写真】LUNA SEAとGLAYが25年ぶり対バン(全17枚)
伝説の夜を目撃するべく集結した両者のファン=SLAVEとBuddyが入り乱れる空間にまず登場したのは、GLAY。30周年イヤー真っ只中の勢いを爆発させながら、オープニングから無数の炎の噴射と共に「WET DREAM」「MERMAID」を凄まじい熱量のエッジィに振り切れたロックサウンドとハイトーンボーカルで響かせれば、5万5千人のオーディエンスはその腕を全力で振り上げながら乱舞する。「25年のときを経て、ここに帰ってきたぞぉー! 東京ドーム! 暴れていこうじゃないか。準備はいいかぁー!」とTERUが叫ぶと、その後も「サバイバル」「口唇」と誰もが知るキラーチューンを畳み掛け、客席からも特大のボリュームで響き渡る歌声も加わって、天井知らずに開放的な音楽空間を創造してみせた。

GLAY
さらには「今夜はLUNA SEAとGLAYにしかできないミレニアムな夜にしましょう。続いては、GLAYにとってとても大切な曲を皆さんに届けます」と、イントロが流れた瞬間から涙する者たちが続出した「pure soul」を披露したのだが、この日ばかりは「共に見た数々の夢を追いかけ 汗を流す仲間もいた」などのフレーズたちがファンや、ステージ袖から見守っていた盟友でもある先輩・LUNA SEAへのメッセージにも感じられ、実にハートフルなムードが会場を包み込んでいた。そんな空間に繊細なピアノイントロから流れ始めた「HOWEVER」。ドラマティックかつエモーショナルな演奏の中でドームの隅々まで突き抜けていく、いつにも増して伸びやかな歌声がさらに感動を呼ぶ。

TERU
そして、赤く染まった世界の中で艶やかに響くTAKUROのギターから、ステージに浮かび上がる満月の下で「月に祈る」。LUNA SEAとの対バンに相応しすぎるナンバーで疾走すれば、Buddyはもちろん、SLAVEも狂ったようにヘドバンしながら大はしゃぎ。また、HISASHIが「託児所を設置して頂いたLUNA SEA、スタッフの皆さん。素敵な配慮に感謝します。

TAKURO

HISASHI
JAY(ENHYPEN)とのコラボで昨年話題となった「whodunit」では、なんと途中で「Jesus, Don't you love me?」とTERUが囁き、LUNA SEAの「JESUS」をマッシュアップしてカバーするサプライズも。当然ながら驚きの歓声を上げていたオーディエンスたちと「Jesus, Don't you love me?」とTERUが歌い合う貴重な体験をさせてくれた。そこからノンストップで「誘惑」を噴射するスモークに包まれながらぶっ放せば、これまたコール&レスポンスのようにサビをワンフレーズずつ交互に歌い合うTERUと5万5千人。こうして誰もが心を完全開放したところで「最新バラードを聴いてください」と歌われた「さよならはやさしく」は、GLAYの30年、LUNA SEAの35年、ここに至るまでの旅の中で「さよなら」してきた愛しき人々とのストーリーを想起させ、それでも前を向いて歩んでいく彼らの生き様とも重なり、誰もがその切なくも優しい音楽をまっすぐに受け止めていた。

JIRO
そして「最高に良いライブになりました。本当にありがとうございました! LUNA SEAのみんなはニコニコと僕らを可愛がってくれるんで、せっかく後輩だからひとつお願い事をしようかなと思って。次の曲はみんなで「夢を見ていこう」という曲なんですけれども……10年後、またコレ(The Millennium Eve)やりたいね! (10年後は)みんな60過ぎてるけど! そんぐらい大きい夢を見ていこうぜ!」と、GLAYだけでなくLUNA SEAや双方のファンの未来をも明るく切り拓くTERUのメッセージから「BEAUTIFUL DREAMER」を最後に披露。演奏中も「10年後、また会おうぜ!」と叫びながら、光の粒子が爆発的にドーム全体を包んでいくような、子供の頃に憧れたヒーローが世界中の人々を笑顔にしてみせるような、夢見るすべての者たちを完全肯定して鼓舞させる歌を全身全霊で届けていくGLAY。「トップバッターは責任重大」と語っていたが、その責任を果たすどころか【The Millennium Eve 2025】を太陽のような目映さで照らしてみせた彼らに会場中から拍手喝采が贈られていた。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」に誘われるようにステージへ現れたLUNA SEAは、その静けさから一転。ヘヴィでメロディアスなロックサウンドを爆音で轟かせ、RYUICHIの「東京ドーム!」という凄まじい叫びと共に「STORM」からライブをスタート。

RYUICHI
「みんな元気? 久しぶりに来てみたら、めっちゃでっかいライブハウスだよね。俺たちは昨年ホールツアー41本、アリーナでもやって。タイムリープというかね、昔の楽曲、昔のライブ、そんなメニューでずっとやってました。そして、今、GLAYと<The Millennium Eve>。まさに俺たちの歴史なんで。きっとGLAYがいなければ俺たちはいなかったし、俺たちがいなければGLAYもいなかったかもしれない。同世代の仲間として、こうして10年に一度ぐらい会いたいよね。今日、25年ぶりでしたか。本当に嬉しいです!」。そうRYUICHIが語ると、誰もが知るヒット曲「DESIRE」「SHINE」を連発。

SUGIZO

INORAN
そんな序盤から代表曲を惜しみなく披露していた彼らだが、後半に折り返すタイミングで、25年前の<The Millennium Eve>でも伝説化するほどの衝撃を刻んだ「SEARCH FOR REASON」へ。そのプログレッシヴでディープな世界観、緊張感あふれる狂気的なサウンドスケープと叫びのような歌声に聴く者すべてが釘付けとなっていた。そして「みんな楽しんでくれてる? もしかしたらGLAYのファンの皆さんは「SEARCH FOR REASON」を聴いて「え、こんなに深い感じ?」と思ったかも(笑)。でも、そういうのもひっくるめて<The Millennium Eve>でここに立てたこと、本当にギフトだと思っているんで。ドームに集まってくれたみんなに心から……「I for You」と、これまた25年前と同じ流れで大ヒットバラードを届けるLUNA SEA。あまりにも感情を溢れさせながら歌い叫ばれる愛の歌に、涙を堪え切れなかった者たちも多かったことだろう。

J

真矢
感動的な空気に包まれた東京ドーム。そこへ「Buddyのみんなと一緒に歌いたい」と、まさかのGLAY「SOUL LOVE」をカバー(!)。Jと真矢がこの曲のビートを奏で、SUGIZOとINORANのツインリードギターというレアな編成で演奏し、RYUICHIがサビの「待ちこがれていた あなたをこうして」を「待ちこがれていた GLAYをこうして」と歌うサプライズにBuddyもSLAVEも大歓喜していた。続く「BELIEVE」でもSUGIZOがギターソロにGLAY「彼女の”Modern…”」のフレーズを取り入れる粋な計らい。

LUNA SEA
そして、最後は「ROSIER」で大狂乱。誰もが共に歌い叫びながら拳を振り上げ、頭を振り回し、Jの畳み掛けるようなソロフレーズから「行くぞ! 東京ドーム!」と叫ぶロックスターぶりに「うぉぉ!」と声を上げ、RYUICHIの「全員で飛ばしていくぞぉー!」という煽りに大スパークするという、凄まじい熱量の一体感を生んで完全燃焼してみせた。が、ミレニアムな夜はまだ続く。
スクリーンに映し出されるミーティングの模様。そこで彼らはLUNA SEA×GLAYのメンバーシャッフルバンドを結成することに。ひとつは、TERU、TAKURO、INORAN、Jによるテナシー(TERU命名)。もうひとつは、RYUICHI、SUGIZO、HISASHI、JIRO、真矢によるTHE★BAND(RYUICHI命名)。そんな今夜限りの夢バンドによるライブがアンコールで繰り広げられたのだが、テナシーは「これでみんなで暴れたいと思っています!」とLUNA SEA「TRUE BLUE」を、THE★BANDはSUGIZOのバイオリンによるイントロからGLAY「BELOVED」を披露し、LUNA SEA×GLAYのメンバーが楽しげに入り乱れながら名曲を歌い奏でるという、文字通り夢のような音楽と光景を堪能させてくれた。そして、オーラスは全メンバーでLUNA SEA「WISH」をお届け。真矢とTOSHI NAGAIのツインドラム、JとJIROのツインベース、SUGIZO、INORAN、TAKURO、HISASHIのカルテットギター、RYUICHIとTERUのツインボーカルによって放たれたそれは、この日最大の多幸感を生み出し、日本のロック史における新たな伝説となった。

テナシー

THE★BAND
しかし、LUNA SEA×GLAYの物語はこれで終わらない。

Photo by 田辺 佳子、上溝 恭香、加藤 千絵、横山 マサト