【写真ギャラリー】[Alexandros]
アルバム全体の一貫性を見出すのは難しいが、あえて言えば、この全15曲には、常に過去の自分たちを超えていこうとする4人の揺るぎない意志が貫かれているように思う。まだまだ満足なんてしていないし、まだまだ野心も欲望も尽きない。ロックの本質や核心だけをまっすぐに追求しながら、変化を厭わずに、明日へ、未来へと闊歩していく4人の勇壮な姿に、強く奮い立たされる。メンバー全員に、今作の完成に至るまでの軌跡について聞いた。
ー昨年から今年にかけてリリースされた『SINGLE 1』『SINGLE 2』『SINGLE 3』を経て、今回、約3年ぶりのフルアルバムが完成しました。今回のアルバムの構想はいつ頃からあったのでしょうか。
川上洋平(Vo・Gt):3年前のアルバム『But wait. Cats?』のレコーディングの終わりぐらいから、もう「次のアルバムはこうしたいね」みたいな構想はありました。ただ、具体的な内容をこうしたいっていうものではなくて、1曲1曲じっくり作ろうぜっていう話をしてた気がする。
磯部寛之(Ba・Cho):とにかく良い曲をいっぱい作ろうよって話をして、そこから今作に繋がる制作期間に入っていったのを覚えています。
川上:前のアルバムの時は、とにかくリアドが入ってすぐなんか作り出したいっていう気持ちがあったから曲ができた後に俯瞰で見直す時間をあんまり設けず、できたらすぐに出すって感じだったんです。今回はその反動で、1曲できたらしっかり寝かして、初期衝動だけじゃないところを固めて作っていきたいという気持ちはありました。
曲を作る時って、まず「こういう曲を作ろう」って言って挑むわけじゃなくて、何もプランを立てずに音を出していくんですよ。
ー今回のアルバムは、リアドさんにとっては、メンバーとして加入して2枚目のアルバムになります。ドラマーとして、[Alexandros]らしさを継承する側面と、アップデートしていく側面の両方があったかと思いますが、前作と今作を比べて、何かモードの変化はありましたか?
リアド偉武(Dr):今作のほうが、[Alexandros]らしさを意識する場面は多かったかもしれないです。前作の時は、自分が入ってからそんなに時間が経ってなかったので、考えるよりも今出せるものを全部出す感覚というか、そういう認識でやってて。今作では「自分の持ってる武器は何なの?」「[Alexandros]として必要な武器は何なのか?」ってことを考えながら叩いていたと思います。
ー例えば、「金字塔」のイントロのドラムを聴いて、「Waitress, Waitress!」を想起するリスナーも多いと思うんですけど、あのフレーズには、[Alexandros]らしさの継承とアップデートの両方があるように感じました。
リアド:「金字塔」は曲作りの最初から、リズムを面白くしたいっていう思いがあって。最初は洋平が昔のボイスメモから持ってきたリズムパターンをもとに、いろんなパターンを試していって。
ー白井さんは、前作と今作の作り方を振り返ってみて、どのような違い、もしくは一貫性があったと思いますか。
白井眞輝(Gt):前作はプロデューサーの参加がすごく多かったんで、あえて言うんだったら、前作はギタリストとして吸収してた時期だったなって思ってるんですよね。いろんな勉強をさせてもらったというか、こういう可能性がギターにはまだあるんだなっていうことをいろんなプロデューサーが見せてくれて。で、前作が終わって「VANILLA SKY (feat. WurtS)」とか「todayyyyy」とかを出してく中で、だんだん前作で得たものから自分に必要なものだけを残していくような感覚を持ちながら、『SINGLE 1』『SINGLE 2』『SINGLE 3』の制作を重ねてって、今回のアルバムの完成に辿り着いたという感じです。
例えば、エフェクターのかけ方で言うと、前作はもう大胆にぐいっとエフェクトをかけてた感じだったんですけど、例えば、今作の「超える」のイントロのリードとかにかかってるエフェクターは、かかってるのか、かかってないのかっていう隠し味程度に入れていて。あとBメロ前のフレーズとかに、ちょっとだけトレモロを入れるみたいな。そういう絶妙なエフェクターの使い方が、前作よりもよいバランスになってきたというか、自分なりの使い方がうまくなってきたかなっていうのはありますね。
ー今作全体を通して、白井さんのギターの質感を含め、バンドサウンドが2020年代の時代のフィルターを通ったものになっていると感じました。例えば、UKにはWet LegやThe Last Dinner Partyがいて、USにはBig ThiefやFrikoのようなバンドがいるように、海の向こうを見渡すと、新しい世代のギターバンドがたくさん躍進しています。
川上:海外のバンドの音楽はめちゃめちゃ聴きます。ただ、やっぱり自分たちが鳴らす時は、「~みたいにしようぜ。」っていうことはしないようにしてます。「Men I Trustの雰囲気いいよね」みたいに、ちょっとニュアンスをっぽくするとか、そういうのはあったりもするんですけど。やっぱり最終的には自分たちが弾いた時に気持ちよくなかったら意味ないので。
1回、Warpaintの曲を4人で丸々コピーしてみたことがあったんですよ。カバーじゃなくてコピーしてみたんです。音作りもかなり似せてやってみたんですけど、どうもWarpaintっぽくならず、うちらの音になっちゃうんですよ。同じことやってんのに面白いなと思って。好きなものがあっても、それが自分の体の一部になっていくかどうかはまた別の問題で。だから変に「ここは、こういう感じにしよう」とかっていう意識はしなかったかな。それはたぶん失敗の始まりな気がする。
最近何を聴いたかとか、何が好きかとか、その都度バンドメンバー全員と共有してたりするわけではないから難しいんですけど、ただこの3年間で、それこそ何にも考えずにMen I Trustのライブを4人で観に行ったりとかしたこともあって。
ー「Backseat」の歌い出しに、〈わりと前のことで あまり覚えてないんよね あの夜Men I Trustを どこのZeppで観たかなんてさ〉という歌詞がありますね。
川上:みんなで観に行ったらなんかいい影響があるかなとか思って。やっぱ3人とも面白がってたんですよね。「ああやって叩くんだ」とか「めっちゃミュートしてたね」とか言って。それがいつか何かのタイミングでいい結果で表れたりするから面白いですよ。
ーパソコン1台あれば誰でも1人で音楽を作れる時代ではありますが、そこにこそ、人と人が集まって音楽を作るバンドの面白さがあるように思います。時に、思いもよらぬケミストリーが起きたり。
磯部:起こし続けていかないと、逆にバンドでいる意味はあんまないよなっていう。そういうある種の危機感、ヒリヒリ感は、これはもう時代を問わずやっぱ持ってるべきだなと思いますね。こいつらとやってて面白いからやる。そうじゃなくなったら、自分が首切られんだろうなとか。
[Alexandros]の4人の気持ちを書きたい
ー最初に、1曲1曲じっくり作っていくというお話がありましたが、[Alexandros]らしさが時間をかけて洗練されて凝縮されている側面がある一方で、今作を聴いていると、皆さんの肉体から瞬発的に出てきた音や言葉がそのままの熱量でパッケージされていると感じることも多いです。
川上:デモで作った音がよすぎて、それをレコーディングスタジオで超えられなかったので、じゃあもうそのままデモのやつ入れちゃおうかっていうこともありました。「WITH ALL DUE RESPECT」のギターとかは、まさにそれですね。デモの時は、大したアンプを使ってなくて、しかも、適当に弾いてたりするんですけど、それがよかったりして。その瞬間の熱量がやっぱりいいわけですよね。そのラフさ、その熱量の貴重さを殺さなかった、無駄にしなかったっていうのはあります。
白井:レコーディングって、音ができあがるまでのプロセスで、エンジニアの方をはじめとしたいろんな人の手が入るんですよね。それに対してデモって悪い意味ではなく、すぐ録りたいから適当に作るんです。それがけっこう、結果的に完成に近くなっちゃうことも今回は多かったんですよね。本当はデモを踏まえてレコーディングをするんですけど、なんかレコーディングする時にデモの再現みたいになっちゃうことがあって、それってあんま建設的じゃないというか。
磯部:わりと俺も、瞬発力でデモを作った時に自然と出てきたベースのフレーズをそのままレコーディングでも弾くことがたくさんありました。おっしゃって頂いたように洗練されている部分もあるんですけど、音像感だったり、音の抜き差しだったり、各箇所のアレンジはわりと瞬発的なものが反映されてる気がします。それは洋平の歌詞もそうで、デモで出てきた言葉が一番自然にメロディにはまるよねっていうことも多かったと思うし。
ー歌詞の話が出ましたが、歌のメロディも歌詞の言葉も、まるで一筆書きのような流麗さがある曲が多いと感じました。
川上:「JULIUS」ができた時に、もうこのアルバムの雰囲気というか、今自分たちが鳴らしたいものが分かった感覚があって、だからこの曲を1曲目にしているんですけど、この曲はデモで歌った時の歌詞そのまんまなんですよ。たいていデモの時点では1フレーズぐらいしか書けていないんですけど、「JULIUS」に関してはもう全部バーって書けて。
ー川上さんの肉体からスッと出てきたものであるからこそ、一筆書きのような流麗さがあるのかもしれないですね。
川上:そう、だから集中力と熱量、あと直感というか、ひらめいた瞬間を大事にすれば、たぶん「JULIUS」みたいに一筆書きでいけるんじゃないかな、と。「今、ゾーンに入ってます」「ゾーンに入りました」みたいなことを悟る、感じ取る直感力も今回養うことができたような気がして。
ーそれこそ、「JULIUS」の歌詞は、新しい何かが始まろうとしている予感、新章に向かっていく力強い意志を感じさせます。そしてそれは、この曲に限らず、アルバム全体を通して感じるフィーリングでもあります。過去はもう戻らない。永遠なんてない。必ず終わりは訪れる。それはとても切ないことだけど、でも、その切なさを引き受けて今を生きる、未来へ進んでいく。そうした未来志向のフィーリングが、アルバム全体に滲んでいるように思います。
川上:素直に自分の今の心境がそういうとこなのかなって思ったりしますけどね。歌詞を書いてると朝方になっちゃうんですけど、もうほんと、途方もない旅をしてるわけですね。そこで、もうだんだん外が明るくなったりもして、さっき夜だったのに朝になってくみたいな時に、けっこういい歌詞書けたりするから。結局、時間って進んでいくんだよ、夜は来るけど、夜明けは必ず来るんだよ。人生もそうだなって思いながら書き続けたりするんですけど。キャリア的に今回が9枚目で15年やってて、アップダウンあって、それでも進んでいくっていうところを、しっかり書きたいなという気持ちがあったんですよ。綺麗なことで塗り固めたことを書くんではなくて、本当に自分が今置かれている立場、そして進みたいと思ってる道を書かないと、多分メンバーのストロークの力が拍に入んないんじゃないかなっていう。歌詞って、レコーディングでみんなの演奏を受け取って最後に書き上げて、それをライブでやるわけですけど、メンバーがこの歌詞を知った上でライブをやると、さらにギアが上がるわけで。やっぱり改めて思うのは、メンバーみんな、同じ目線で同じとこに向かっていくんだよね、みたいな気持ちがあるわけなんですよね。それを踏まえた時に[Alexandros]の歌詞を書きたい、[Alexandros]の4人の気持ちを書きたいなっていうのはありましたね。今回は[Alexandros]の歌詞なんですよね。うん、なかなかにして。
それと、聴いてくれる人にとっても、きっと「言いたいことを言ってくれた」「思ってるけど言えないことを言ってくれた」っていう言葉があるはずなんですよね。例えば、「WITH ALL DUE RESPECT」の訳とかを読んで頂きたいんですけど、たぶん言えないけど、言いたいこと、思ってることって、たくさんあると思うんですよね。SNSというものが、うちらがデビューして15年の間にかなり広がっていって、言いたいことを言える場ができてるにもかかわらず、言えないよね、みたいなとこがあったりして。でも自分にはSNSとか、そういうとこじゃないところがあってよかったと思うんですよ。
ー歌、または、歌詞という領域ですね。
川上:じゃあ自分はそこで全て全力投球しよう。ここだったら炎上しないでしょっていう感覚です。だから、すごく気持ちよく書けたというか、ここで俺書けんじゃんと思って。だから、いわゆるな呟きはしないんです。別にタイムラインで吐く必要ないし、もったいないと思うんですよ。それに、SNSに書く言葉はメロディに乗ってないから。メロディに乗っかってなんぼだから。
![[Alexandros]が語る、天邪鬼なバンドの現在地「この4人で鳴らす音が今いちばん気持ちいい」](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FRollingStone%252F59%252FRollingStone_42776%252FRollingStone_42776_2.jpg,quality=70,type=jpg)
Photo by Masato Yokoyama
自分本位で書き綴って演奏しているものが好き
ーとても感覚的な話にはなってしまいますが、それこそ15年前よりも、この世の中で、不条理なことや不公平なことが増えたり、表面化したりしていて、誰もが生きづらさとは無縁ではいられない時代だと思うんです。そうした時代において、今作の楽曲たちは、まっすぐに明日を、未来を見据えている。それこそ、「todayyyyy」には、〈希望〉という言葉も出てきますが、そうした今作の未来志向の言葉たちが、とても頼もしく輝いているように思いました。
川上:僕は、いわゆるメッセージって嫌いなんですよね。聴く側としてもそうですけど、メッセージが乗った瞬間に僕はなんかちょっと「うん、分かった」っていう感じになっちゃうんです。やっぱり僕は、ある人間が好き勝手に、もうとにかく自分本位で書き綴って演奏しているものが好きなんですよ。観るのも好きだし、自分が作るものもそうでありたいし。例えば「明日があるぜ」って僕が書いたとしたら、それはもう完全に自分に対して書いているんですよ。それはもう「For Freedom」という曲を作った瞬間からそうで、あの曲は自分たちに向けての曲だし。だから、ずっと自分たちのことしか歌ってなくて、それは、今おっしゃって頂いた今作の曲たちも同じで。自分はこうです、っていうこと自体がある種のメッセージなのかもしれないですけど。
ーその曲を聴いて、その言葉を受けって、何をどう感じるかは、リスナー次第であると。
川上:本当そうですね。冷たいのかもしんないけど、結局はあなたの人生だし、俺はあなたに希望を与えるっていう無責任なことをするほうが誠意ないなって思っちゃうんで。そこはもうあなたに任せたいっていう。うわーって言いたいこと書いたけど、じゃあその曲を受け取ってくれたあなたに対してどう思うかっていうのは、昔「city」の中で書いたんですけど。
ーあの曲の最後には、〈この歌も捨て 自らの言葉と身体で生きていけ〉という一節がありますね。
川上:「君はどうする?」みたいなことですよね。ずっとそういう言葉しか書けない。だから人によっては、いやちょっとよく分かんねえなって思う人もいるかもしれないですけど。
ー今の話の流れで思い出したのですが、基本的に、曲の中で用いられている一人称は〈私〉が多いと思うんですけど、「金字塔」のサビには、〈我々の歴史はいつもそう〉というように〈我々〉という一人称が用いられていますね。
川上:これはまあ、人間そのものが対象ですかね。だから〈我々〉ということで。
ーサビの〈我々の歴史はいつもそう 夢で出来ていく〉という一節の中に〈歴史〉という言葉があるように、つまりは、そういうスケールの楽曲であると。
川上:そうですね。今、〈夢で出来ていく〉という歌詞を挙げてくださりましたけど、〈欲〉や欲望っていう言葉もすごい好きなんですよね。例えば、お金を稼いで有名になりたいって言うと俗っぽく聞こえるじゃないですか。でも、その先にあるものが、家族を養いたいとか、好きなギターを買いたいとか、そういうことであれば素敵な話なわけであって。また、もしかしたらそこに夢があってのことだったりするかもしれないわけで。人間ってのは、やっぱそれがないと前に進めないわけで。今はそういったことをあんまり言いにくい世の中だと思うんですけど、「いや、もう絶対に金欲しいです」「有名になりたいです」「モテたいです」って言ってるのがロックバンドだと思うんで。むしろ素直な気持ちでそれを言ってくってとこなんですよね。〈我々〉という一人称を入れたんですけど、人間ってみんなそうじゃね?っていう。
ー今作における川上さんの作詞について、3人はどう感じましたか?
磯部:今彼も言いましたけど、やっぱ言ってる内容はすごく素直な感情で、やっぱり俺もメンバーとして読んでる時に、すごく普遍的なものを感じるんですよね。すごくパーソナルなことを言ってる歌詞でも、共感できるし、素直な感情だから人を巻き込む力がある。あと、普通に生きてたら、こんなにさらけ出せないですよね。自分はもうちょっとかっこつけちゃうタイプだから。でも、そこをさらけ出してなんぼでしょって言い切れるのは、やっぱかっけえなと思うし。横で(川上が)さらけ出してくれているから、俺はかっこつけて生きられるっていう(笑)。
白井:表現することは変わってないと思うんですけど、歌詞の作風が、ちょっと映画っぽく、ストーリーっぽくなったのかなって感じてます。さっきメッセージは乗せないって言ってたんですけど、最近は、ストーリーに自分の伝えたいことが自然と乗っている感じ。
リアド:さっきヒロ(磯部)が言ってたのと本質的には同じなんですけど、やっぱり、洋平の歌詞は嘘がないですね。だから聴く人に届くんだろうなって。洋平に「この歌詞ってこういう意味なの?」って聞くことはないんですけど、でも、伝わってくるものがあって。今作に関しては、すごく今の洋平自身、バンド自身のことが表れてるなって思います。このアルバムのタイトルも、すごくピュアに詰まってるのを感じますね。やっぱ誰が言ってるかとか、誰が作ってるかとかって大事だと思ってて、それはもちろん言葉だけじゃなく、各楽器の音も同じで、そういう言葉と音がこのアルバムには入ってると思っています。
ー最後になってしまいましたが、今回のアルバム『PROVOKE』のタイトルについて聞かせてください。「挑発する」といった意味の言葉ですが、この言葉はいつ頃浮かび上がってきたのでしょうか。
川上:これしかないよねってなったのは、アルバムの全体像が明確になってからですかね。結局こういうことですよねっていうとこで。1stアルバムの1個前、アマチュア時代に、『Provocation to Noble Artists』っていうタイトルでアルバムを出したんですよ。その時の、この「Provocation」って単語がなんかやっぱいいなと改めて思って、それを『PROVOKE』という動詞にしてぱっと書いてみたら、なんかいいじゃんと。みんなに聞いてみたら、いいねってことで満場一致でこのタイトルになりました。これまで、いろんなとこ行ったり来たりもしたんですけど、やっぱそこって変わんないんだなっていうとこは常にあって。人を食ったようなアレンジをしていきたいし、「[Alexandros]ってこういうバンドだよね」って言われたら、「いや違うし」って言いたくなる、みたいな。常に天邪鬼な感じが変わらないので。
ー『Provocation to Noble Artists』を訳すとしたら、どのようなニュアンスが近いでしょうか。
川上:「気取ったアーティストに対する挑発」ですね。自分が書いた歌詞について、「これはこういう意味なんだ」みたいなことを言っちゃってる雰囲気が嫌いなんで。
ー先ほどの、メッセージを乗せるのが嫌いというお話にも通じるように思います。
川上:裸になってなんぼだし。僕は本当にいろんなバンドのライブを観てきて、ベテランだろうが新人さんだろうが、嘘だなとか、だせえなと思う人に対する印象は変わらないし、で、そういうやつらが売れてちやほやされてるのがすごい嫌で、あの時は『Provocation to Noble Artists』というタイトルを付けたんですけど、それは今も変わりません、っていうことですね。今回、『PROVOKE』っていうタイトルになったのは、そういう意味です。
![[Alexandros]が語る、天邪鬼なバンドの現在地「この4人で鳴らす音が今いちばん気持ちいい」](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FRollingStone%252F59%252FRollingStone_42776%252FRollingStone_42776_3.jpg,quality=70,type=jpg)
Photo by Masato Yokoyama
〈INFORMATION〉
9th Original Album
『PROVOKE』
[Alexandros]
ユニバーサルミュージック
発売中
Streaming/Download:https://lnk.to/Alexandros_PROVOKE_dg
CD:https://lnk.to/Alexandros_PROVOKE
1. PROVOKE
2. JULIUS ※WOWOW「連続ドラマ W ゴールデンカムイ ー北海道刺青囚人争奪編ー」第2話主題歌
3. WITH ALL DUE RESPECT
4. 超える ※アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』第 1 クールオープニング主題歌
5. 金字塔 ※テレビ朝日系木曜ドラマ『プライベートバンカー』主題歌
6. EVERYBODY KNOWS
7. Coffee Float (feat. hard life)
8. Boy Fearless ※映画『Cloud クラウド』インスパイアソング
9. 冷めちゃう
10. [0602] ※読み:ジュンセカンド
11. Backseat ※江崎グリコ『ポッキー』タイアップ曲
12. VANILLA SKY 2 (feat. WurtS)
13. FABRIC YOUTH
14. todayyyyy ※スマホゲーム『モンスターストライク』コラボレーションソング
15. アフタースクール ※テレ東系「WBS ワールドビジネスサテライト」エンディングテーマ