【写真ギャラリー】f5veメンバーのソロカット
アルバムにはシングルとして今までリリースされてきた楽曲に加え、6曲の新曲が収録。レディー・ガガ、ジャスティン・ビーバー、テイラー・スウィフトらのプロデューサーとしてグラミー賞を受賞しているBloodPop®がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、その他にもA.G.クックやハドソン・モホークなどの今をときめく豪華プロデューサーが参加する。斬新な世界観と確かな音楽性でジワジワとファンを獲得している、まだまだ謎だらけの彼女たち。前回のインタビューに引き続き、その素顔とアルバムの制作秘話を聞いた。
ーまずは先行でリリースされている曲でも最新の「Magic Clock」について伺いたいです。これはどういったテーマでBloodPop®と制作したのでしょうか?
RUI:BloodPop®が来日して、トークセッションをしながらアルバムに収録する曲をガッツリ制作する期間が1週間くらいあって。その空き時間に「どんなアニメが好きなの?」「どんな曲を聴くの?」「日本ではどんな曲が流行ってるの?」みたいな話を共有して、インスピレーションを得ていました。そんな中、急に「ちょっとこれ聞いてみてよ」と流してくれたのが「Magic Clock」で、キャッチーなんだけど、イントロのところは何が起こるかわからないワクワク感があって、もう私たちはその曲に落ちてしまって。あの日は今でもすごく覚えてますね。
ーこのアルバムに収録された曲は、その制作期間に作られたものが多いんですか?
RUI:ほとんどそうですね。今から約一年半前くらいです。
ー「Magic Clock」は楽しかった瞬間を振り返るキラキラした歌詞で構成されていますが、そういったテーマはみなさんの会話の中から生まれたのでしょうか?
KAEDE:ソングライティングをしてくれるEmyliさんという方がいらっしゃるんですけど、その方とBloodPop®と私たちで密に話し合って作りました。
ーそれ気になってました。歌詞の中に「タコパ」や「海辺でのピクニック」などのエピソードが出てきますが、あれはメンバーのみなさんの思い出なのでしょうか。
KAEDE:実際にしたことはないんですけど、RUIちゃんがずっとタコパしたいって言ってて(笑)。
ーなるほど。やりたいなって気持ちを入れ込んだりとか。
KAEDE:リリースされた楽曲ではカットになっちゃったんですけど、アウトロの部分でブースに全員で入って、「Magic Clock」というタイトルだけに、私たちが時間に追われてちょっと遅刻しそうなときの演技をして。泣く泣くカットになってしまったんですけど、そういうアドリブなんかも入れながら楽しくレコーディングしました。
ーそっちもアナザーバージョンとして聴きたいですね。あと、今までシングルとしてリリースされてきた曲に比べると良い意味で普通というか、尖りが柔らかい感じがして、そんなf5veも好きでした。
MIYUU:そうですね。歌詞もそうですし、ミュージックビデオも、良い意味でちょっと安っぽい、チープな感じを演出していて。
ー後半、私もびっくりしました。
MIYUU:後半、やっぱりf5veってこうだよね、こういうエッジの効いたことしてくれるよねって、裏切られたと思います。
ーまさにそういう気持ちでした。あのシワとかって特殊メイクなんですか?
RUI:あれはCGです。
ーメイクなのかと思ってました! すごいクオリティですね。
KAEDE:スウェーデンからVFXのチームが来て、一人ずつ360度撮って、後から技術でいじってもらいました。だからすごいリアルなんです。
ー本格的ですね。今回こうやってCGでおばあちゃんの顔になることには、メンバーのみなさんは抵抗はなかったんですか?
KAEDE:なかったです。
MIYUU:楽しいし、f5veだからできることだし、それをファンの皆さんが受け入れてくれるのも信じてるので。ディレクターもメンバーの意見を聞いてくれるので、それを信じてる自分たちもいますし。
ー関係性が出来上がってるんですね。あと、PSYCHIC FEVERの剣さんはどういった経緯で出演することになったんですか?
RUI:「Underground」をリリースした時くらいから、本当に急にというか、突如、f5veを盛り上げてくださって。TikTokとか、私たちよりも載せてるんじゃないかと思うくらい、私たちに代わって剣くんがみんなにダンスの振り付けを教えてくれる。ライブのソロコーナーでも、(PSYCHIC FEVERの)他のメンバーは歌とかダンスとかビートボックスをしている中、剣くんは「Underground」のダンスレクチャーコーナーをしてくれたり。直接会う機会が多くあるわけではないんですけど、SNS上では6人目のメンバーって言われるくらいf5veを盛り上げてくださって。ずっと何かの形でご一緒できればいいなと思っていたので、念願でした。お待ちしておりました!という気持ちで。
KAEDE:PSYCHIC FEVERも海外のファンが多いんですけど、「剣がまたやってるよ!」みたいにファンの方が教えてくれるくらいで。剣くんがMVに出演するって決まった時も、ファンの方が喜んでくれて。
ー公式お兄ちゃんみたいな感じで面白いですね。実際にはあんまり会ったことがなかったというのも面白い。
MIYUU:でもMVの撮影中に一つのテーブルを囲んでランチしたので、仲は深まりましたよね。前よりは距離が縮まった感じはします。
ーあとf5veはSNSを中心に様々なインフルエンサーなどとコラボされていると思うんですけど、TikToker・YouTuberの都さんと仲が良いですよね。私も都さんが好きで、個人的に気になっていました。
RUI:分かります! 都民(※都のファン名称)です。「UFO」のシングルをリリースした時期に私がシンプルに都さんにハマってて、ディレクターに「超いいんだよね」って話したら、ちょうどそのディレクターの方も「気になってた、踊ってほしい!」って言ってくださって、連絡して繋がりました。今ではBestie(親友)です。
MIYUU:「Lettuce」の時から私たちの音源を使ってくれたり踊ってくれたりしてたので、気になってたんです。
KAEDE:都さんに限らず、「最近この人会いたいかも」「この人とやれたら楽しいかも」とかアイデアを出し合って、SNSのf5veオフィシャルアカウントから「コラボできますか?」って連絡してもらうとか、Xなどに投稿してくれているファンやアーティストがいたら「Can we collab?」みたいな感じで普通に連絡してそこから繋がったり、いろんな方とのコラボレーションを積極的にしています。
@f5veofficial ミヤコさんを養子に迎えました @miyako_385_ #f5ve_underground #f5ve #undergroundchallenge ♬ Underground - f5ve
ーオフィシャルアカウントとファンの距離が近いんですね。
MIYUU:めちゃめちゃしてます。リアクション動画好きなんで、私たちが動画の更新をした後は絶対に『f5ve リアクション』って調べたり、カバーダンスは見ると結構個性があって楽しいです。
KAEDE:私は曲が出ると1日1回「f5ve」ってXでエゴサしてます。
SAYAKA:ミュージックビデオじゃなくてDance Practiceの動画の衣装を、ガムテープを使って再現してる人がいて、すごいところまで見てるなって感動しました。
2024年、メンバーが一番よく聴いた音楽
ーすごい。みなさん結構マメにチェックされてるんですね。アルバムについてもお聞きしたいのですがその前に、先ほどこのアルバム『SEQUENCE 01』は、BloodPop®とみなさんで好きな音楽などをシェアしながら制作されたと聞きましたが、実際にみなさんが去年(2024年)一番聴いた音楽を教えてください。
SAYAKA:Tylaです。私はそんなに”人”にハマることないんですけど、Tylaは曲だったり彼女が表現する世界観だったり、表情の作り方とかも、同じ女性としてすごく魅力的だと思います。唯一ハマりました。まだライブは見たことないんですけど、いつか見てみたいです。
RUI:私はAyumu Imazuさんがずっと好きです。
ー確かに。アーティストだからこそ分かるアーティストの葛藤を感じた上で、その考えや期待を上回ってきた時には、完全に気持ちが持って行かれそうですね。アーティストとしての芯を感じますね。
RURI:私は平井大さんがずっと好きで。メッセージ性のある音楽が好きで、共感しながら聴いてます。ライブはまだ行ったことないんですけど、いつも聴いて癒されてます。
KAEDE:めっちゃたくさん好きな音楽はあるんですけど、やっぱりkeshiが好きです。去年は2年ぶりにアルバムをリリースされたんですけど、今までのkeshiのまた一段上に上がったような、ボリュームとクオリティの高い作品で、「もう崇めます!」って思ってしまうくらいの雰囲気。恋愛とかじゃなくて、もう愛について歌ってるみたいな。すごく聴きましたね。でもそれと同じくらい聴いたのがロゼのアルバム。私自身アコースティックギターなどを使ったChillなバイブスの楽曲が好きなので、ロゼの『rosie』はピッタリ私の好みにはまって、リリースされてから毎日聴いてました。すぐ刺激を受けちゃうんで、ギターも弾いてみたくなりました。
ーそれはぜひやってほしいですね。KAEDEさんがギターを弾き語りしているところもいつか見てみたいです。
MIYUU:私もロゼのアルバムはすごく聴いたんですけど、ビリー・アイリッシュのアルバム(『HIT ME HARD AND SOFT』)もずっと聴いてて。声の雰囲気とか世界観がある人、アルバムを通して物語がある人が好きなんです。楽曲の歌詞を見るとビリーの考えが鮮明に浮かんできて勝手に感情移入しちゃったから、自分がいろんな感情になれたのがこのアルバムだった気がします。
ー確かに。今回もビリーのアルバムは分かりやすかったかと言うとそうではなかったと思うんですけど、だからこそ理解できて、共感できた時には、すごく思い入れも強くなりそうですよね。ありがとうございます。ちなみにBloodPop®とはどんな曲をシェアしたんですか?
KAEDE:BloodPop®は元々アニメの音楽やきゃりーぱみゅぱみゅさんも好きで、私たちメンバーもPerfumeさんやYOASOBIさんとかをシェアして盛り上がりました。アニメの話から、じゃあ「アニメっぽい曲作ってみる?」って、アルバムに収録されている「リア女」って曲ができたり。共通の好きなものから楽曲制作が進んでいったのが楽しかったです。
ー「リア女」はそういう経緯からできた曲だったんですね。アルバムの中でも異彩を放っていて気になっていました。
KAEDE:最初聴いた時は「お、なんだ?」って思ったんですけど、自分たちで歌ってみたら意外とf5veっぽいというか、しっくりきて。この曲に関しては歌割りも自分たちで決めたので、「この部分はこの子が合うよね」みたいに話し合いました。
ーなるほど。それを聞いて納得しました。と言うのも、この曲は特にメンバーそれぞれの個性のある声質が分かりやすく生かされている気がして。ちなみにこの曲だけ歌い方など変えたり工夫されましたか?
RURI:けっこう難しくて。Aメロが早口で難しいと思えば、強弱が大きくついたゆっくりの箇所もあって、アルバムの中でも歌い方を一番意識したんじゃないですかね。
SAYAKA:私はAメロを歌ったんですけど、音程が低くて、しかも早いんですよ。でも日本語なので聞こえづらくないようにハッキリと発音しないといけなくて。一方サビは歌い上げるところが多くて、「Aメロの自分」と「サビの自分」は違う自分として演じ分けた感じでした。
ー”演じる”ってこの楽曲を聴くと納得がいきます。いい意味で演技っぽい感じに振り切っていると思いました。あと気になったのがタイトル。”リア女”って普段聞かない言葉ですけど、どうしてこのタイトルになって、どんな意味が込められてるんでしょう。
RUI:すごい個人的な見解ですけど、連想できるのは秋葉原かなって思って。というのも、BloodPop®が来日してる時にすごく秋葉原にハマってて、アニメのフィギュアを買ったり、電子機器をショッピングしに行ったりだとか、すごく楽しんでて。だから私は勝手に、制作の時から「リア女」の歌詞と、秋葉原とかに並んでるフィギュアとか人形が、イメージでずっと頭の中でリンクしてて、今でも聴くとそういう画が思い浮かびます。
ーなるほど。それは全く私のイメージにはなかったです。確かに想像できますね。
KAEDE:私はめっちゃこの歌、日本人のことを歌ってると思うんです。日本人って見た目が結構みんな似てるじゃないですか。Aメロの歌詞で「目の色も服装も髪型もみんな全て同じ」とか入ってるんですけど、日本人はその時のトレンドでみんな同じようなメイクとかファッションをすることが多い。海外の人から見た日本人は、さらにそう見えるんじゃないかと思います。なんか一番リアルな日本を歌っているふうにも、個人的には思えて。

Photo by Mitsuru Nishimura
「マイクを誘惑しなさい」
ー面白いですね。みんなそれぞれの「リア女」への解釈がある。あとは「Sugar Free Venom」についてもお聞きしたいです。客演にKeshaさんを迎えられていますね。
KAEDE:元々「Sugar Free Venom」にはフューチャリングアーティストとして誰か迎えたいという話はあったんですけど中々見つからなくて。でも私達が去年ロンドンにイベント行った際に、たまたまクリエイティブディレクターとBloodPop®がテレビ電話をしていて、急に「今Keshaと『Sugar Free Venom』のレコーディングしてるよ」ってレコーディングが進んでて。BloodPop®が「Sugar Free Venom」に誰が合うのかっていうのをすごく考えて、Keshaさんを選んだんだと思います。ビッグサプライズでした。
MIYUU:もう聴いてる時、口開いてました。時代を一世風靡した方だし、私たちが聴いてた曲もたくさん歌ってきてる方だったので、いい意味で期待を裏切られました。アルバムがほとんど出来上がって、毎日聴いていた頃にKeshaさんが入ったバージョンがポーンと送られてきて、ようやくアルバムが完成したと思えるくらい、最後の欠けてたピースがはまった感じでした。
ーじゃあKeshaさんの箇所が追加されたのは本当に最後なんですね。この曲は全編英詞でしたが、歌う際に意識したことはありますか?
SAYAKA:ラップでは英語で韻を踏んでる箇所が多かったので、そこがちゃんと伝わるように発音に気をつけました。違う単語でも同じように聞こえるように発音しないといけなかったり。今までラップにあまり挑戦してこなかったからこそ難しかったです。
ーなるほど。歌い方でいうと「Television」も変わった発声の仕方をされてましたね。
RUI:この上なくハスキーというか、ノイズがかった声で。今までだったらこんな声絶対にレコーディングで出さないし、使えない。でも今回はそんな声がすごく生きてて。だから自分たちの声だけど、自分たちでも初めて聞く声で、全パートのレコーディングに挑みました。
RURI:ライブではどんな表現になるんだろうって今から楽しみです。
ー確かに。ライブバージョンも気になります。あと「Bow Chicka Wow Wow」という曲は、テーマを掴むのが中々難しかったです。タイトルはアメリカのスラングですよね。
RUI:私たちもこのタイトルを初めて聞いた時に「どういう意味ですか?」って質問したら、ドラマとかの中でちょっとセクシーで魅惑的なときのサウンドとして流れる音のことをアメリカのスラングだそうで。なので、この曲はアルバムの中で一番魅惑的で、熟した深みのある私達を魅せる1曲だと思っていたので、レコーディング中も出せる最大限の色気を声と抑揚で表現しました。
MIYUU:最初は全部英詞だったので、80%ぐらいしか理解できなくて気づかなかったんですけど、日本語に訳したら歌詞の内容が結構直接的(にセクシーな内容)で、私たちは大人だから大丈夫だけどRUIちゃん大丈夫!?って。
KAEDE:RUIちゃんに歌わせるパートを選ぼうって、みんなで保護者みたいになってました。
MIYUU:私はレコーディングの時に「マイクを誘惑しなさい」って言われて。
ーすごい言葉ですね。
MIYUU:明るすぎるって言われて。もうそれからずっとマイクを見ながら歌ってました。
ー楽曲ごとに全然歌い方やキャラクター性まで変わるのがf5veの魅力ですね。あともう一曲「Jump」についても伺いたく。
f5ve:(拍手が起こる)
ーお、拍手が起こりましたね。
KAEDE:もうみんな大好きで。
ーそうなんですね。私もこの曲のレイヴっぽいBPMの早さとかゲームっぽい効果音とか、「Underground」に引き続きすごくf5veっぽくて好きでした。あとは歌詞もすごく個性を大切にしていて素敵です。
RUI:メッセージ性がすごく強い曲だと思います。このアルバムの中でも歌詞が一番J-POPっぽいと言うか。日本人が大切にしてるであろうメッセージを訴えてます。
SAYAKA:この曲を聴くとすごく背中が押される。私たちの曲(f5veのための曲)です。
KAEDE:この楽曲も自分たちで歌割りを決めていいよって言われて、自分たちで決めたのでより一層思い入れがありますね。
ーまさにf5veのための楽曲ですね。ライブで見られるのも楽しみです。これからリリースイベントとクラブツアーを予定されてるんですよね。まずリリースイベントについて答えられる範囲で教えてください。
KAEDE:まだ完全に内容は決まってないんですけど、昼間に、日本のファンのみなさんに向けた特典会を行いたいです(※その後詳細が発表された)。ファンの方が会いに来やすいような空間にしたいですね。
ークラブには行きづらい、行けないというファンの方も喜びますね。「きゅんです」とのコラボレーションで行われるクラブツアーも気になります。
KAEDE:夜帯に、私たちのパフォーマンスだけでなくて、「きゅんです」チームの方を筆頭としたDJチームのDJプレイや、もしかしたらスペシャルゲストもいるかも?みたいな感じで、絶賛準備中です。イベント全体を通して、その世界観も楽しんでもらえるようにしたいですね。f5veといえば、「Underground」で表現したアンダーグラウンドカルチャー、レイヴカルチャーのイメージがついて海外の方にも評価してもらえるようになったので、今回はそういうアイデンティティを大切にしたイベント作りを心がけました。
ー去年はロンドンでA.G.Cookさんのクラブイベントに出演されて、これから海外公演も決定していると聞きました。
RUI:日本の中だけでも地域によってファンの方の空気感が全然違うように、ロンドンのときに私達もファンの皆さんの迫力を受けて驚きましたし、世界各地で盛り上がり方が違うと思います。そこも含めて私達も楽しみながら、無事回り切れたらなっていう思いです。

『SEQUENCE 01』
f5ve
LDH Records
2025年5月5日配信スタート/7日CD発売
配信:
https://orcd.co/sequence01
CD:
https://ldh.lnk.to/SEQUENCE01
収録曲
1. Initiate Sequence 01
2. Underground
3. Magic Clock
4. UFO
5. Firetruck
6. Lettuce
7. Sugar Free Venom feat. Kesha
8. Television
9. Bow Chika Wow Wow
10. Jump
11. リア女(Real Girl)
https://www.instagram.com/f5ve_official/