【写真】2025 INI 3RD ARENA LIVE TOUR [XQUARE] 神奈川公演
物語の始まりを感じさせるドラマチックなオープニングを経て、メンバーはステージに登場。「WMDA(Where My Drums At)(XQUARE ver.)」を投下し、一気に場内の熱気をあげていった。カメラが捉えていくひとりひとりの顔つきは、自信に満ち溢れているばかりでなく、自己プロデュース力の高さを感じさせる。表情や所作、声色といったエッセンスを緻密に作り込み、個性と曲のカラーを柔軟に溶け合わせてしまうのだ。「LOUD (XQUARE ver.)」においても、調和力の高さは健在。むしろ、パフォーマンスを重ねていくなかで、磨き上げられてきたといってもいい。よりグラデーションの段階が豊かになった表現は、作品の持つ空気感をエモーショナルに映し出していく。MINI(INIのファンダム名)のコールも伸びやかに響き渡り、一体感のある空間が作られていった。
どんなアーティストであれ、何度も披露してきた楽曲に新たな魅力を宿すのは、簡単なことではない。しかしながら、新たな革命を起こそうとしているINIにとって、そんなことは心躍る挑戦のひとつにすぎないのだろう。

©LAPONE ENTERTAINMENT

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さらに今回のツアーでは、池﨑理人が作詞に挑戦した「Potion」も初披露。歌詞にこめられた”やんちゃながらにも自分と向き合う姿”を体現するかのように、抜け感のあるステージングを繰り広げていく。客席からコールが湧き上がると、メンバーは嬉しそうに声のほうへ耳を傾けていた。
怒涛の勢いで本編を走り抜け、ほどなくしてアンコールへ。軽やかなステップを携えて、愛嬌たっぷりに「Party Goes On」を歌い上げていった。そして、最後のMCでは、木村が「愛知・名古屋、公式アンバサダー(※『第20回アジア競技大会』『第5回アジアパラ競技大会』愛知・名古屋2026公式アンバサダー)をやらせていただいてます。そんな愛知にゆかりのあるサプライズの発表を持ってきました」と切り出し、バンテリンドーム ナゴヤでの『2025 INI LIVE [XQUARE - MASTERPIECE]』の開催を発表。
”INIならでは”を見つめ直すのみならず、たくさんのチャレンジを取り入れて、可能性の拡張を図っていた『2025 INI 3RD ARENA LIVE TOUR [XQUARE]』。公演を目撃した多くの人が「いかにINIが未知数なのか」を実感したに違いない。フレキシブルな感性で何者にでも染まり、さらにはその色や情景、音が持つイメージさえも、自分たちらしく刷新していってしまうのだ。彼らにとっての代表作が、どのように描かれていくのか――。今から楽しみでならない。

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