6月から7月にかけて、結成10周年を記念した全国ツアー「揉みに揉まれて10周年ツアー」を敢行したFOMARE。全国10会場、ワンマンライブとゲストを迎えた対バンライブを5公演ずつ行った同ツアーのファイナルの舞台は、Spotify O-EAST。
この日、FOMAREの3人が深く敬愛するMONGOL800との対バンが実現した。なお、アマダシンスケ(B, Vo)は、2018年4月に沖縄でライブをした時、X(Twitter)で、「おれが1番好きなバンドMONGOL800の地元ってだけで楽しいし、本当に幸せな時間でした」「いつか夢叶えー!!!」と投稿しており、また、今回のライブの前日には、引用リポストで「明日、叶うらしいぞ」と投稿していた。それらの投稿は、彼らがこの日にかける気合いの大きさをありありと伝えるものだった。今回は、7月24日に行われた同公演の模様をレポートしていく。

【画像】「揉みに揉まれて10周年ツアー」ファイナル公演(全15枚)

先攻はMONGOL800。SE「Enjoy yourself」に合わせて、キヨサク(Vo・B)、髙里悟(Dr・Vo)、そしてサポートギタリストのKubotyがステージイン。「FOMARE、10周年おめでとう! 遊びましょう!」というキヨサクの呼びかけを経て、さっそくビッグアンセム「あなたに」を披露。キヨサクが「歌ってー」と呼びかける前から、さらに言えば1番のAメロから熱烈な大合唱が巻き起こり、1曲目にもかかわらずダイバーが続出。続いて、「さっそく、FOMAREからリクエスト頂いたこの曲聴いてください」という前置きを挟み、「煩悩のブルース」へ。超高速のビートの曲ではあるが、集まった観客を誰一人置き去りにしないような温かな包容力も感じる。なんて頼もしいライブパフォーマンスなのだろう。キヨサクは、第一印象として「客が若い!」と感じたことを伝えつつ、「愛してるぜ!」と叫んで「Love song」へと繋ぎ、世代の違いを越えた愛の応酬を繰り広げてみせる。
そして、「夏の思い出、一緒にたくさんつくって帰ってください!」という言葉を添えて、「少年時代」(井上陽水のカバー)を披露。快活に弾けるパンキッシュなバンドサウンドに乗って、誰もが知る懐かしい情感に満ちたメロディが鮮やかに響く。この曲でも、ダイバー続出。凄まじい熱狂空間だ。

FOMARE、敬愛するMONGOL800との対バンで示した、溢れんばかりの愛とリスペクト

キヨサク(Photo by SARUYA AYUMI)

FOMARE、敬愛するMONGOL800との対バンで示した、溢れんばかりの愛とリスペクト

髙里悟(Photo by SARUYA AYUMI)

FOMARE、敬愛するMONGOL800との対バンで示した、溢れんばかりの愛とリスペクト

Kuboty(Photo by SARUYA AYUMI)

キヨサクは、「シンスケと会ったの、いくつの時だったかな」と、当時、群馬で弾き語りをしていたアマダと初めて出会った時のことを回想し、その後、お互いのフェスに出演し合ったりしながら交流を深めてきたことを振り返った。そして「ファイナルに呼んでくださってありがとうございます」と感謝を告げ、「もう1曲、FOMARE少年から頂いたリクエスト」として「ドキドキ」を披露。続く「to be continued」では、髙里が打ち鳴らす裏打ちのハイハットに合わせて観客が何度も一斉ジャンプを繰り返す。次に披露されたのは、10年前、戦後70年の夏にリリースした「himeyuri ~ひめゆりの詩~」だった。キヨサクは、今年が戦後80年であることに触れた上で、「何も変わらない、音楽じゃ。それでも歌う。それでもメッセージを発し続ける」と告げた上で、この曲を披露した。〈忘れるなひめゆりの詩を 歴史にするには早すぎる〉という一節が、深く胸を打つ。
続く「琉球愛歌」における〈すべての国よ うわべの付き合いやめて〉という一節も、まさに時代を超えて響く普遍的なラインで、音楽を通して懸命にメッセージを発し続ける彼らの長年の軌跡を改めて感じた。「世代なんて関係なかったです!」そう嬉しそうに叫ぶキヨサク。最後に届けられたのは、特大アンセム「小さな恋のうた」。最初から最後まで大合唱が続き、ダイバー続出。猛烈な熱気がフロアを満たす中、最後にキヨサクは、「ありがとう、そして、おめでとう!」と叫び、ステージを去っていった。

敬愛するMONGOL800からのあまりにも熱いバトンを受け取り、後攻としてステージに立ったFOMARE。1曲目は、現時点での最新曲「サウンドトラック」。アマダの「聴かせてくれ!」「いこうぜー!」という高らかな呼びかけに、観客が大合唱&大歓声で応える。いきなりダイバーも続出。それでもまだまだ足りないと言わんばかりに、「10周年なんでもっと来てもらっていいですか!」と煽り、「Lani」へ繋ぐ。天高く突き上がる拳。怒涛のコール。
1番Aメロから巻き起こるとめどない大合唱。間髪入れずに「stay with me」「新しい歌」へ。アマダの真摯な歌、3人の鉄壁のスリーピースサウンドに、観客の歌声が分かちがたく結び付き合い、ステージとフロアの垣根を溶かすような熱烈なエネルギーが会場全体を満たしていく。これほどまでのエネルギーを生み出す力が、FOMAREの音楽にはある。改めて、そう強く感じる。「風」では、アマダの「ギター!!!」という合図の後、カマタリョウガ(G・Cho)の渾身のギターソロが炸裂。「雨の日も風の日も」では、アマダが歌い出しの〈走ってるよ〉の後の歌詞を替えて「モンパチのもとへ!」と叫ぶこの日ならではの一幕も。ラストでは、〈今あなたと歌いたい〉という歌詞を「今全員と歌いたくて!」と替えて叫んだ。「80%」では、オグラユウタ(Dr・Cho)の豪快なドラミングに合わせて、観客が左右に身体を揺らしながら大合唱。なんて美しい光景なのだろう。

FOMARE、敬愛するMONGOL800との対バンで示した、溢れんばかりの愛とリスペクト

アマダシンスケ(Photo by RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER))

FOMARE、敬愛するMONGOL800との対バンで示した、溢れんばかりの愛とリスペクト

カマタリョウガ(Photo by RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER))

FOMARE、敬愛するMONGOL800との対バンで示した、溢れんばかりの愛とリスペクト

オグラユウタ(Photo by RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER))

最初のMCパートで、アマダは、今回のツアーファイナルの舞台であるO-EASTについて、2018年に初めてワンマンライブを行った場所であることを説明した上で、「その時、キヨサクさんも観てくれてました!」と語り、フロアから温かな拍手が送られる。「今日は、俺たちFOMAREのルーツ、MONGOL800を独り占めできた気分」「MONGOL800から、この距離感のライブハウスでバトンを受け取ったFOMAREは、間違いなくこの10年の中で一番かっこいいFOMAREだと思います」。
その力強い宣言を経て届けられたのは、「夢から覚めても」。アマダは、〈コンビニの裏道〉という歌詞を替えて「O-EASTの裏道!」とエモーショナルに叫び上げてみせた。2018年の初ワンマン以降の歩みが一つの美しい結実をみせた、とても感動的なワンシーンだったように思う。「君と夜明け」「Grey」を通して、何度も更新されてきた熱狂のピークをさらに次々と更新。ここでアマダは、ライブ前日のラジオ番組で「生まれ変わったら何になりたいか?」と問われたことを振り返りつつ、「生まれ変わってもFOMAREになりたいと思える人生」と堂々と語った。また、一人ひとりの観客を見つめながら、「ライブハウスでしかない感覚を求めてくれる一人ひとりになりたい。そう改めて思える10本を周れた気がしています」と告げ、「生まれ変わっても」へと繋ぐ。計3つのミラーボールの光によって煌びやかに彩られた、あまりにもドラマチックな名演だった。

FOMARE、敬愛するMONGOL800との対バンで示した、溢れんばかりの愛とリスペクト

FOMARE(Photo by RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER))

「LINK」「かぼちゃ列車」。次々と放たれていく輝かしいライブアンセム。その後、アマダは、これまでの10年を振り返りつつ、「FOMAREは僕の人生の一部。ここにいる全員の人生の一部になれてたら嬉しいと思います」と告げた。
彼は、続けてこう語った。「10年もやってたら、悲しいこと、受け止めなければいけないことが増えていく。みんなも、受け止めきれないこと、受け止めなければいけないことが増えていくと思う」「欠けたら、埋めてほしい。逆に、みんなが欠けたら埋める」「もっともっとかっこよくなりたいし、もっともっといろんな人を巻き込んでいきたい」「一生ついてきてください」。万感の想いが漲るMCの後に披露されたのは、10年前につくった歌「夕暮れ」。アマダは、1番Aメロの歌詞を「渋谷もいいけれど、俺の地元・高崎も悪くはないけどね」と替えて歌い、2番Aメロに入る前には、「自分の故郷を思い浮かべながら聴いてほしいです」と告げた。そして、「歌ってくれ!」というアマダの呼びかけを受け、壮大な合唱が巻き起こる。10年前は想像もできなかった景色。そしてそれは、10年間、懸命に走り続けてきたからこそ、今目の前に広がっている景色でもある。間違いなく、今回のライブにおける輝かしいハイライトの一つとなるシーンだった。「タバコ」を経て、本編を締め括ったのは「愛する人」。隣同士で肩を組み合い、左右に身体を揺らし、歌声を重ね、ジャンプを繰り返していく観客。
ライブハウスでしか観ることのできない、とっても熱く美しい光景だった。

FOMARE、敬愛するMONGOL800との対バンで示した、溢れんばかりの愛とリスペクト

FOMARE(Photo by RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER))

アンコールの声に応えて再登場。アマダは、「モンパチ先輩のライブ、ヤバかったね。本当にああいうバンドになりたい」「俺たちも、ずっとずっと、懐かしいバンドじゃなくて、現在進行形で進むバンドであり続けたい」と語った。そして、MONGOL800のカバー「face to face」を披露。溢れんばかりの愛とリスペクトに満ちたパフォーマンスで、FOMAREのルーツがMONGOL800であることを熱い実感を通して再確認した。大量のダイバーが続出した「Frozen」によって幕締めかと思いきや、観客の鳴り止まぬ歓声とコールに応える形でダブルアンコールが実現。9月にリリースされるEPから新曲が披露され、そして、この日の対バン、および、今回のツアーを締め括ったのが「Continue」。最後の最後にこの日のピークを更新するような盛大な合唱。そして、数え切れないほどのダイバー。なんて〈眩しい〉光景なのだろう。「またライブハウス来てください。ありがとうございました」。最後にアマダは、そう言い残してステージを後にした。ライブハウスでしか味わうことのできない熱い余韻が、いつまでも胸の中で消えない。

セットリスト

MONGOL800
1. あなたに
2. 煩悩のブルース
3. Love song
4. 少年時代
5. ドキドキ
6. to be continued
7. himeyuri ~ひめゆりの詩~
8. 琉球愛歌
9. 小さな恋のうた

FOMARE
1. サウンドトラック
2. Lani
3. stay with me
4. 新しい歌
5. 風
6. 雨の日も風の日も
7. 80%
8. 夢から覚めても
9. 君と夜明け
10. Grey
11. 生まれ変わっても
12. LINK
13. かぼちゃ列車
14. 夕暮れ
15. タバコ
16. 愛する人
EN1. face to face
EN2. Frozen
WEN1. 新曲
WEN2. Continue

<ライブ情報>

FOMARE
10周年記念無料LIVE ”愛する人、場所”
2025年9月23日(火・祝)Gメッセ群馬
LIVE HALL OPEN 16:30
LIVE START 17:30
19:00頃終演予定
※先行グッズ販売開始時間については追ってアナウンスいたします。

チケットについて
・無料ライブとなりますがチケットを購入いただきます。
・ライブに関する料金は無料となります。
・今回のチケット購入時にかかる料金は当日のドリンク代¥600となります。
・LIVE HALLへの入場順はチケット記載の整理番号順となります。
・席種は全てオールスタンディングとなります。

FOMARE OFFICIAL FAN COMMUNITY 「FOMAREと秘密の部屋」会員先行
https://fomaretohimitsunoheya.com/news/detail/GRHUvqZO7GLOV6MyNTpG
期間:8月1日(金)18:00~8月10日(日)23:59まで
※グッズについて、その他イベント情報については今後随時アナウンスさせていただきますのでFOMAREオフィシャルHP、X、Instagramをご確認お願いいたします。

・迷惑行為禁止
・営利目的の転売禁止
・開催の延期・中止以外での払い戻しは受け付けませんのであらかじめご了承ください。

TOTAL INFO:H.I.P. 03-3475-9999(平日10:00~18:00)
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