DJ&コンセプトステージの全貌
2026年、POP YOURSは「Terminal 6 STAGE」を立ち上げた。メインホールの転換時間を活かし、新たな空間でDJパフォーマンスやクラブ的ライブを展開する。これは単なるサブステージの増設ではないだろう。フェスの内部に、もうひとつのヒップホップの現場を組み込むという決断である。
ヒップホップは、もともとDJから始まった文化だ。1970年代のブロンクスで、DJクール・ハークがブレイクビーツをループさせ、フロアを熱狂させたことからすべてが動き出した。公園やアパートの中庭などで、DJブースを中心に人が取り囲む円環的な空間。レコードをかけ、低音を鳴らし、観客が揺れる――その循環がヒップホップの原型だ。現在のフェスで見られる「ステージ中央にMCが立つ構図」は、長い歴史のなかで形成された一つの形にすぎない。
そして現在、ヒップホップとクラブカルチャーの距離は再び縮まっている。トラップ以降、ビートは高速化し、低音はより忙しなくなった。レイジ、ジャージークラブ、UKガラージ、メンフィスサウンドなど、フロアを前提とした音作りがますます広がったのだ。
Terminal 6 STAGEは、この歴史の流れを踏まえたうえでの現在形として用意されたのだろう。ラッパー中心の巨大ステージとは異なる、DJを起点とする空間をフェスの構造に組み込むこと。それは新しい挑戦であると同時に、ヒップホップの原型を再提示する行為でもある。クラブで育ったサウンドやコミュニティを数千人規模で可視化することで、POP YOURSはヒップホップをより立体的に提示しようとしている。Terminal 6 STAGEは、ヒップホップをラップだけでなく、DJ、ビート、フロアの体験を含む総体として再編集するのだ。
■DAY1
I♡WAKA
I♡WAKAは、近年国内で最も勢いのある和歌山のシーンを切り取った。プロデューサーのHomunculu$を中心に、MIKADOや7、TOFU、HARKA、ENEL、T.i.G skyseaら実力派ラッパーとともに、いわゆる”和歌山勢”として全国に名をはせる彼ら。
DJ U-LEE
DJ U-LEEは、シーンを代表するクリエイティブ集団”YENTOWN”のプロデューサー/DJ。AwichやMonyHorseのライブ等で、その巧みなプレイを体験したことがある人も多いだろう。POP YOURSにおいても、YENTOWNの一員としてこれまで参加してきた。JNKMNのアルバム『GOOD JUNKEE』をはじめとして、ゆるふわギャング「Ying Yang」等のプロデュースでも知られるU-LEEだけに、自然と身体が揺れるヴァイブスを届けてくれるはずだ。
GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE
Terminal 6 STAGEにおいて彼らが初日に配置されていることは、ヒップホップのDJ文化がこのフェスの土台であることを示す宣言でもあるだろう。ヒップホップのオーセンティシティを味わうには欠かせないDJアクトだ。
■DAY2
Tohji Presents u-ha neo stage
u-haは、Tohji周辺のアーティストやDJ、オルタナティヴなクラブ文脈が交差する場として形成されてきた。SoundCloud世代のレイヴィなサウンド、インターネット発の美学が濃縮されたパーティーだ。2024年には、『Boiler Room Tokyo : Tohji pres. u-ha』も開催。
SEEDA × DJ ISSO × shes rough presents
CONCRETE GREEN
CONCRETE GREENは、SEEDAとDJ ISSOを中心に2004年頃から展開されてきたストリート発の伝説的ミックスCDシリーズ。アンダーグラウンドの現場で若手ラッパーを紹介し可視化する場として機能してきた。SEEDAはかつてから、若手と積極的に交流する姿勢を持ち続けている。CONCRETE GREENはその延長線上にあり、”世代をつなぐ場”としての意味合いが強い。ここから、数多くのラッパーが誕生してきたのだ。この度、12年ぶりとなるCONCRETE GREENの最新作の制作がアナウンスされた。当日の出演は、Lisa lil vinci、jellyy、lazydoll、Beach Boys(SHO-SENSEI!!, ADY TILE, who28)、Slay4、Nagatomi、otuyyuto、Ludioという布陣がアナウンスされている。
MARZY
ヒップホップ~クラブDJシーンを代表するアイコン的存在。
■DAY3
YeYan
YeYanは、ファッションシーンとのクロスオーバーも果たすクルー型パーティー。セレクト&ヴィンテージショップ「CC STORE」やヴィンテージショップ「PAT MARKET」「CORRIDA」などを運営するメンバーが在籍。MV制作やスタイリング、DJ、ビートメイクなど多岐に渡る活動を通じて培った感性が融合した主催イベント「YeYan NIGHT」は、都内の若者が集う人気のパーティだ。渋谷や新宿のクラブシーンで育まれてきたDIY的な精神は数多くのアーティストに影響を与えており、2020年代の現行シーンにおいて音楽とコミュニティが不可分であることを示している。韓国でのポップアップなど、海外にも活動を拡大中。当日は、ライブ出演としてSpiderWeb、Saggypants Shimba、Lil Mafuyu、YTG 、さらにDJ出演としてMANDO、vyst、yena、101、JINがアナウンスされている
AMAPINIGHT
AMAPINIGHTは、SAKURA、RINA、AOIの3人のホストのキュレーションによって爆発的人気を得ているパーティ。南アフリカ発のアマピアノを中心に、ヒップホップ、アフロビーツ、UKガレージなどをミックスし盛り上がりを高めてきた、大阪アメ村から始まり、日本各地に開催を広げているAMAPINIGHTは、ホストとライブ、DJ、ダンサーが一体となる構造によって、単なるDJイベントにとどまらないパーティー体験そのものを提供する。当日は、ホストの三人に加え、ライブアクトとして3li¥en、thepini、ZENDAMAN、ARIWA、Tanziが、DJアクトとしてTAKENOKO、YUUGOH 、そしてAMAPINIGHT DANCERSが出演予定。クラブにおける一体感を全国に波及させてきたAMAPINIGHTが、POP YOURSをどのようにハックするのか楽しみだ。
MASATO & Minnesotah
POP YOURS 2022に出演し、その後2023年3月をもって活動を”終演”させたKANDYTOWN。
Terminal 6 STAGEの意義を考えると、大きく以下の三つが挙げられるだろう。
第一に、クラブ体験の拡張。来場者の約半数が関東圏外から訪れ、若年層も多いPOP YOURSにおいて、クラブに足を運んだ経験がない観客は多い。ヒップホップはライブハウスや大型フェスのステージだけで完結する文化ではない。DJが空間を編み上げ、低音が身体を揺らし、観客がフロアで応答する――その往復運動こそがカルチャーの核にある。普段は数百人規模のクラブの暗がりで鳴っているサウンドを、もっと広い空間で可視化すること。それがTerminal 6の挑戦だ。フェスのなかでクラブ的サウンドスケープを体感できることは、ヒップホップの理解を一段と複層的なものにするだろう。
第二に、界隈のアーカイブ化という視点もある。近年のヒップホップ/クラブシーンは、細分化され、各所で高い熱量を帯びながらも、瞬間的に立ち上がっては消えていくムーブメントの連続だ。その泡のような現象を、フェスという大きな器に収め、俯瞰し、記録する。つまりTerminal 6は、点在するコミュニティやパーティーを総覧する装置でもあるのだ。個々の現場で積み重ねられてきた歴史や文脈が、ここで一つの年表として編集される。
第三に、導線設計としての意味。メインステージの転換時間に、観客はただ待つのではなく、別の世界へと足を運ぶ。巨大化したフェスにおいて、時間を空白にしないことは体験の質そのものに関わる。ラップ中心の大舞台から、より密度の高いクラブ空間へと移動することで、フェス体験は立体的になる。
これまでPOP YOURSは、様々なスターを並べることでシーンの現在地を可視化してきた。2026年、その視線はさらに深く潜る。ラップだけでなく、ビート、DJ、パーティー、ダンサー、コミュニティ――ヒップホップを構成する要素の全体像を提示することで、「ポップカルチャーとしてのヒップホップ」をより多面的に描き出す。Terminal 6 Stageは、フェスの外側で鳴ってきたヒップホップを取り込み、その広がりを共有するための場である。拡張し続けるPOP YOURSの野心を、最も端的に示すステージだと言えるだろう。
POP YOURS 2026
日程:4月3日(金)・4月4日(土)・4月5日(日)
時間:開場9:30 / 開演11:00
会場:幕張メッセ 国際展示場 展示ホール1-6
https://popyours.jp/
DAY1:4月3日(金)
LANA
Elle Teresa | guca owl
Benjazzy | Bonbero, eyden | ISSUGI | Jinmenusagi |
Koshy&Sonsi | kZm | Litty | Peterparker69 |
Pxrge Trxxxper | SEEDA | VaVa | WILYWNKA
SPECIAL LIVE: STUTS Orchestra
NEW COMER SHOT LIVE: AOTO | Siero | X 1ark
OPENING DJ: nasthug
MC: Isaac Y. Takeu、SAKURA
【TERMINAL 6 STAGE】
DJ U-LEE | GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE | I♡WAKA
(AtoZ)
DAY2:4月4日(土)
千葉雄喜
Daichi Yamamoto | Kvi Baba
BIM | DADA | DJ CHARI & DJ TATSUKI | Jin Dogg |
JUMADIBA | KM | Manaka | Masato Hayashi | 7 | ralph |
SALU | SPARTA | Worldwide Skippa | Yvng Patra
SPECIAL ACT: Tohji
NEW COMER SHOT LIVE:
Rama Pantera|Sad Kid Yaz|YELLASOMA
OPENING DJ: eijin
MC: Isaac Y. Takeu、SAKURA
【TERMINAL 6 STAGE】
MARZY | SEEDA×DJ ISSO×shes rough presents CONCRETE GREEN | Tohji Presents u-ha neo stage (AtoZ)
DAY3:4月5日(日)
KEIJU
Kohjiya | NENE
ACE COOL | ANARCHY | C.O.S.A. | G-k.i.d | Jellyyabashi |
Kaneee | lilbesh ramko | MIKADO | OZworld | ピーナッツくん |
柊人 | Tete | Watson | Yvngboi P
SPECIAL LIVE: PUNPEE
NEW COMER SHOT LIVE: 11 | HARKA | Kianna
OPENING DJ: uin
MC: Isaac Y. Takeu、SAKURA
【TERMINAL 6 STAGE】
AMAPINIGHT | MASATO & Minnesotah | YeYan
(AtoZ)


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