「人類皆等しく凡人なり」、団長(NoGoD)が「凡人」宣言!!
NoGoDのヴォーカリストとして活動中の団長が、#stayhomeな今の社会情勢に寄り添う形であり、全国各地に隈なく想いを届ける術として、6月下旬にWEB SHOP限定販売のもと、初のソロ・ミニアルバム「凡人歌集」を発売する。アコースティックギターにNoGoDのshinnoを、パーカッションには同じくNoGoDのKを迎え、それぞれブースを区切ったソーシャルディスタンスな形のもと、一発録りでレコーディング。生歌/生演奏ならではの迫力と臨場感を持ったアンプラグドな作品を作りあげた。音楽を届けるならNoGoDという姿勢だし、そこは今も変わってない。
――世の中が不要不急の外出を制限していた4月や5月の時期、団長はSNSなどのオンラインを通し、自宅からのリモートワークという形で精力的に動いていましたよね。その時期に、同時に水面下で押し進めていたのが、6月下旬よりWEB SHOP限定で販売になる団長初のミニアルバム「凡人歌集」だったわけですね。 団長 :そうです。ただし、楽曲はもともとあったもの。ソロとしてちゃんと人前で弾き語りをやるようになったのが、10周年の時期だから5年前頃。弾き語りを始めたきっかけは、NoGoDとして足を運ぶのが難しい地域や規模的に小さな会場でも、自分一人が弾き語りとして出向くぶんにはフットワーク軽く行けるなという理由から。つまり、NoGoDの活動の延長上で始めたことでした。 俺自身が、ソロ活動をしたいわけでもなければ、ソロデビューを飾りたい願望は今もまったくないように、音楽を届けるならNoGoDという姿勢だし、そこは今も変わってないです。団長 :そうです。それと、4月や5月の時期は、作品を発売してもリリースイベントも出来ないどころか、CDショップも動いていなかった。もちろん、観客を入れたライブ活動を行うなんてもっての外の環境だったからこそ、待ってくれているファンたちのために少しでも前向きになれる発表であり、みんなの励みになることをと思い、今回のリリースに至った面もありましたからね。 今回の作品を通販オンリーにしたのも、まだまだCDショップに足を運ぶのが難しい環境の人たちが多いことから。ソロとしてのライブ配信はもちろん、これからNoGoDとしてもオンラインを通してライブ配信を行おうと思っているんですけど。その手段を取ったのも、配信ならどこの環境にいようと、ネットさえ繋がっていればNoGoDのライブを楽しんでもらえるなという気持ちからなんです。
団長 :まだ、お客さんを入れてライブ活動が難しい6月と7月は、その形を取ってのライブを届けていくつもりです。8月以降は、各都道府県の条令や条件、箱ごとのソーシャルディスタンスを心がけながら、お客さんを入れた形でのライブにしていきたいなということで、いろいろ準備に奔走しています。とにかく、早くNoGoDとして音を出したいんです!! ――そこへ繋げるためにも、まずは配信ライブからスタートしようと。
団長 :うです。きっとその時期は、いろんな人たちが配信ライブを始めると思います。自分は、団長ソロとしてすでに無観客での配信ライブを行ない続けてきた経験もあるように、他の人たちとは違う、配信ライブだからこその意味や醍醐味を持った見せ方をしていきます。そこで、他のバンドさんらとの差別化を図っていくように、リアルでも感じれない、配信ライブでしか観れないNoGoDの演奏や映像を届けていくつもりです。
「凡人歌集」全曲解説!!
――ここからは、ミニアルバム「凡人歌集」に収録した曲たちについて語っていただければと思っています。まずは冒頭を飾った、人よりも秀でたものもなければ、想いとは裏腹に行動にも起こせない。でも、ほとんどの人が凡人なんだから、そんな自分を認めて生きようと歌う「凡人哀歌」からお願いします。団長 :世の中で天才と呼ばれている人たちに比べたら、自分は凡人だと思っています。俺が本当に天才だったら、もっと人に評価されているはず。まぁ、そこにはいろんな皮肉を込めた意味を詰め込んでいますけど…。
団長 :自分が初めてアコースティックギターを手にしたのが高校生のとき。その頃にブームだったのが、ゆずや19、唄人羽のようなアコースティックデュオ。「凡人哀歌」が昭和のフォークソングなら、「凸凹」では平成のフォークソングをやりたかったんです。 歌詞では、互いに価値観は違うけど、お互いに求めあっている。そんな凸凹な関係であることが、「僕等 お似合いだから」という互いの幸せに繋がっていることを歌にしています」 ――「続くといいね」では、ファン側が抱くバンドに対する想いと、バンド側からのファンへの気持ちを描写。「好き」と熱狂しつつ離れてしまう人たちへ向けた切ない皮肉と、変化を求めないファンに向け、僕らは変わり続けたいとバンド側の持つ本音を比較するように記しながら、「人の価値観が変わってゆくのは仕方がない。でも、好きだった気持ちまで否定はしないで欲しい」と、団長は歌いかけました。 団長 :こちらもソロ活動を始めた頃に作った曲。もう、厭味の塊ですよ(笑)。5年前と言えば、NoGoDの結成10周年の時期。その当時の自分は、理想と現実のギャップにとてもストレスを感じていました。
団長 :この曲は自粛期間中に作りました。この歌でも「凸凹」のように、相手の(男女の恋愛における)気持ちや価値観の違いを歌にしています。「凸凹」では、それがポジティブに向いていましたが、「希望の朝」ではネガティブな方向へ向いています。たとえどんなことがあろうと、等しく夜は明ければ、朝は来るんですよ。ラジオ体操の一節ではないですが、最期に「希望の朝が来た」と歌っているように、嫌でも朝が来たら新しい明日へ進んでいくしかないんだからと、そこには希望を込めています。 もちろん、その結末を皮肉と捉えてもらっても構いません。僕らは凡人だから、自分の気持ちさえも割り切るしかないんですよ。それくらい未練がましい想いも歌にしていれば、人ってそういうものだろうとも自分では受け止めています」 ――経験を重ねるごとに知る、理想と現実との違い。それでも生きていくしかない現実に向けて吠えた「冗談じゃない」は、ライブでも人気の高い楽曲です。
団長 :これも5年前頃に作った楽曲です。お客さんらと一緒にシンガロング出来る景気の良い楽曲が好きで、ライブの最期にかならず演奏をしている鉄板曲です。レコーディングにあたり、SNSを通し、みんなから歓声や手拍子をいただき、それも加えました。 この歌詞、すごくひねくれていますけど。「どんな状況だろうとやるしか…生きるしかない」という今のご時世にもピッタリな内容に聞こえてくると思います。「毎日毎日僕らは鉄板の上~」と記したブロックの歌詞は、「およげ!たいやきくん」をオマージュしています。もう何十年も前から人としての本質を突いていたことがすごいなと思って。この歌詞には、いろんなパロディなどシニカルな表現も散りばめました」 ――最期は、心が、どんなに掻き乱れようと誰にでも等しく「前を向ける明日が来る」ことを、願いを込めて歌った「good night」ですね。
団長 :「good night」を作ったのは2年前頃。「冗談じゃない」で本編が終了し、ボーナストラック的な意味合いとして「good night」を入れました。冒頭の「凡人哀歌」と最期の「good night」のみアコギと歌だけの演奏にすれば、すぐ横で唄い爪弾くような生々しいミックスにも仕上げました。 この歌の最期も「希望の朝」と同じ景色ですが、最期に「良い事があると願って 明日に」と書いたように、しっかり希望を持たせました。でも、「希望の朝」も「good night」も、根底にある想いは一緒なんですよね」
天才も凡人も、幸せを覚えている人も悲しみを背負っている人も、生きてくことに優劣はない。
――団長は、ミニアルバム「凡人歌集」を通し「天才も凡人も、幸せを覚えている人も悲しみを背負っている人も、生きてくことに優劣はない。自分は特別じゃなく、自分と同じ境遇の人はたくさんいれば、同じ命を授かった以上は、等しく頑張って生きていこうぜ」と伝えてきましたよね。団長 :この作品で言いたかったのは、世の中の9割5分は凡人。自分も含め、みんな特別秀でているわけでもなければ、人と違うこともない。「わたしだけが息苦しい」じゃなくて、それもみんなの中へ等しくあること。日々の悩みだって「キミだけに起きた特別なこと」ではなく、みんなが持っていること。さらに言うなら、"凡人だろうが、天才だろうと、生きていかざるを得ないように、そこに何も違いはない。要は、「だから頑張って生きていこうぜ」ということなんです。 ――なるほど。
団長 :天才も凡人も、幸せを覚えている人も悲しみを背負っている人も、生きてくことに優劣はない。自分は特別じゃなく、自分と同じ境遇の人はたくさんいれば、同じ命を授かった以上は、等しく頑張って生きていこうぜこの作品を聴いて、少しでも心の荷物を下ろしてもらえたら嬉しく思います。 ――最期に、NoGoDの近況も教えてください。
団長 :NoGoDは、4月と5月に関しては一切の活動を止め、メンバー各々のスキルを磨く時間や、未来を見据えた創作活動へ費やしてきました。だからこそ6月と7月は、ライブハウスから精力的に配信ライブを行えば、8月以降より、ソーシャルディスタンスなど諸条令を守ったうえで、リアルなライブ活動を再開するための準備も始めています。 今は、NoGoDの15周年を祝ういろんな企画が延期になっているように、この15周年企画を演り終えるまでは15周年イヤーを続けるつもりです。それに加え、今年の頭から開催してきた「Ism」ツアーで配布したり会場販売してきた曲たちも含め、2020年度のNoGoDの活動の集大成となる作品を出す計画で今いろいろ動いているように、そちらも楽しみにしていてください。 TEXT:長澤智典