あいにくの曇天模様となった名古屋市千種区今池。日本でも指折りの劇場であり、the 原爆オナニーズと同じ38年の歴史を持つミニシアター名古屋シネマテークには平日にもかかわらず朝から長蛇の列が出来た。 並ぶ人々のお目当ては、今夜20時より上映される、地元が誇るパンクバンド、the 原爆オナニーズのキャリア初となるドキュメンタリー映画『JUST ANOTHER』の舞台挨拶付き世界最速上映のチケット。ただでさえ小さな映画館なのに、コロナ禍の感染予防対策として減席での販売となるため、さながらプレミアムチケットとなってしまった。 なかには仕事を休んで来た人、他県からGo Toした人もいて、チケットは午前中で完売。本来であれば、例年この時期には街を上げての『今池まつり』が開催され、一年の中で一番の盛り上がりとなるはずだが、今年は中止。ならば『今池まつり』をフィーチャーしたこの映画で盛り上がろうと、商店街の至る所に映画のポスターに「今池ハードコアは死なず」の言葉を加えたオリジナルポスターが貼り巡らされている。




また大石監督からは「最後までメンバーの誰も本当に映画になると信じてくれていなかったことが一番やり辛かった」というここぞとばかりの恨み節も。映画の中心が次第にSHINOBUにシフトしていくことについては「年齢的にも立場的にも一番自分に近いSHINOBUさんの視点を通すことでバンドをうまく伝えられるのではないかと思いました」と監督が話すと、SHINOBUからは「監督と一番親しいのは僕です!」との宣言が。
今年中止になった『今池まつり』については「唯一の豊田市民である自分はお邪魔している感じですが、子どものダイブを大人が支えたり、誰もが楽しめる他に類を見ないイベントだと思います」とTAYLOWが話すと、大石監督からは「海外のヴェニューの雰囲気のような分け隔てなく老若男女が楽しめる日本では特異なイベントだけど、今池では音楽が生活にあることを感じる輝かしいイベントだと思います」と語り、TAYLOWから「日常の中に音楽があることが感じられるんです」との話があった。
舞台挨拶中には温かい野次も飛ぶ終始和やかな雰囲気となり、最後に監督からは「映画をご覧いただいて気に入っても、気に入らなくても、どんな言葉でも良いのでSNS等でリアクションが欲しいです!」とのメッセージがあり、TAYLOWからは「一人10回は観てください!」というリクエストも。そしてJOHNNYからは「来年の『今池まつり』まで上映が続くように何度も劇場に来てください」との言葉もあった。