事実、いま改めて聴き直すと本作に収録された楽曲の多くはその骨組みが歌謡曲そのものだ。GSグループの中でも欧米のロックやリズム&ブルースを本格志向していたゴールデン・カップスでさえ、「長い髪の少女」のような歌謡曲然とした曲でシングルを切られるのだから(ただしカップスがステージ上でそうしたヒット曲を演奏するのは稀だった)、まだ古い体質だった音楽業界主導の弊害と言えるかもしれないが、そのやらされ感やまがいもの感、どこか屈折した感覚が今となっては面白く、当時の日本の芸能界ならではと感じるのだ。 何せ当時は長髪にエレキといえば不良と決めつけられ、一般社会から冷遇された時代。品行方正が求められるのは当然だが、そもそもこの時代にバンドを組んで一山当てようとする連中が言われるがままお行儀良くいられるはずがない。ブーム末期には人気グループから主要メンバーが相次いで脱退し、70年代に入った頃にGSは終焉を迎えた。 時代の徒花とも言われるGSブームだが、その反動として頭脳警察やフラワー・トラベリン・バンド、村八分(山口冨士夫はダイナマイツ出身)といった自作自演の本格派ロックバンドが次々と70年代初頭に生まれるに至ったわけだから、日本のロック史前夜を語る上で不可欠なムーブメントだったと言える。そのエッセンスを凝縮させた本作に収録されているのは、完全なロックでもなく歌謡曲でもない、まさにGSとしか言いようのない異形の楽曲たちである。
1966年7月1日発売のザ・サベージ「いつまでもいつまでも」から1968年12月10日発売のオックス「スワンの涙」まで、GS=グループサウンズの主要バンドによる代表曲・全36曲を発売順に収録した2枚組コンピレーション。スパイダース、タイガース、カーナビーツ、ワイルド・ワンズ、テンプターズなど著名グループの定番曲ばかりが収録されているので、同時代を過ごした団塊の世代には懐かしのヒット曲を手軽に楽しめるアイテムとして、これからGSを知る若い世代には入門編として最適の作品と言えるだろう。
事実、いま改めて聴き直すと本作に収録された楽曲の多くはその骨組みが歌謡曲そのものだ。GSグループの中でも欧米のロックやリズム&ブルースを本格志向していたゴールデン・カップスでさえ、「長い髪の少女」のような歌謡曲然とした曲でシングルを切られるのだから(ただしカップスがステージ上でそうしたヒット曲を演奏するのは稀だった)、まだ古い体質だった音楽業界主導の弊害と言えるかもしれないが、そのやらされ感やまがいもの感、どこか屈折した感覚が今となっては面白く、当時の日本の芸能界ならではと感じるのだ。 何せ当時は長髪にエレキといえば不良と決めつけられ、一般社会から冷遇された時代。品行方正が求められるのは当然だが、そもそもこの時代にバンドを組んで一山当てようとする連中が言われるがままお行儀良くいられるはずがない。ブーム末期には人気グループから主要メンバーが相次いで脱退し、70年代に入った頃にGSは終焉を迎えた。 時代の徒花とも言われるGSブームだが、その反動として頭脳警察やフラワー・トラベリン・バンド、村八分(山口冨士夫はダイナマイツ出身)といった自作自演の本格派ロックバンドが次々と70年代初頭に生まれるに至ったわけだから、日本のロック史前夜を語る上で不可欠なムーブメントだったと言える。そのエッセンスを凝縮させた本作に収録されているのは、完全なロックでもなく歌謡曲でもない、まさにGSとしか言いようのない異形の楽曲たちである。
“昭和を駆け抜けた3年の青春”というサブタイトルの通り、1960年代半ばから末期にかけて巻き起こったGSブームは儚いものだった。ヴェンチャーズによるエレキブームに端を発し、ビートルズのアメリカでのブレイクや第1次ブリティッシュ・インヴェイジョンが追い風となってブームに火がついた格好だが、単なる洋楽の模倣ではなく日本独自の形で発展していったのが面白い。 まだロックやフォークが日本に浸透する前、演歌や歌謡曲が絶対的な権威として幅を利かせていた時代。作家専属制のあったレコード会社や芸能プロダクションはプロの作詞家、作曲家に曲を書かせたがり、当時からオリジナル曲を作っていたのはジャッキー吉川とブルー・コメッツの井上忠夫(井上大輔)、スパイダースのかまやつひろし、ワイルド・ワンズの加瀬邦彦くらいだった。そのためメロディがどこか日本的情緒を感じさせるというか、歌謡曲独特のウェットな感触が拭えない。
事実、いま改めて聴き直すと本作に収録された楽曲の多くはその骨組みが歌謡曲そのものだ。GSグループの中でも欧米のロックやリズム&ブルースを本格志向していたゴールデン・カップスでさえ、「長い髪の少女」のような歌謡曲然とした曲でシングルを切られるのだから(ただしカップスがステージ上でそうしたヒット曲を演奏するのは稀だった)、まだ古い体質だった音楽業界主導の弊害と言えるかもしれないが、そのやらされ感やまがいもの感、どこか屈折した感覚が今となっては面白く、当時の日本の芸能界ならではと感じるのだ。 何せ当時は長髪にエレキといえば不良と決めつけられ、一般社会から冷遇された時代。品行方正が求められるのは当然だが、そもそもこの時代にバンドを組んで一山当てようとする連中が言われるがままお行儀良くいられるはずがない。ブーム末期には人気グループから主要メンバーが相次いで脱退し、70年代に入った頃にGSは終焉を迎えた。 時代の徒花とも言われるGSブームだが、その反動として頭脳警察やフラワー・トラベリン・バンド、村八分(山口冨士夫はダイナマイツ出身)といった自作自演の本格派ロックバンドが次々と70年代初頭に生まれるに至ったわけだから、日本のロック史前夜を語る上で不可欠なムーブメントだったと言える。そのエッセンスを凝縮させた本作に収録されているのは、完全なロックでもなく歌謡曲でもない、まさにGSとしか言いようのない異形の楽曲たちである。
(text:椎名宗之)
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