コロナ禍の危機に直面している姫路のライブハウス「Beta」を存続支援するため、MASCHERA、ILLUMINA、TRANSTIC NERVE、DEVELOP FRAME、Psycho lé Cemuという90年代の姫路ヴィジュアル系シーンを作ったバンドによるコンピレーションアルバム『VERSUS FATE』が発売される。 本日4月1日(木)から5月31日(月)までBeta Music WEB SHOPで受注、発送は7月1日(木)以降となる。
製作費と通販手数料の経費を除く売上が姫路Betaの運営費として寄付される。 本作には現在入手不可の全10曲を収録。MASCHERAは『tales』『悪徳の栄え』より「ラー」「サヨナラ」を、ILLUMINAは『Sha-la-la』より「忘れないで」「maybe tomorrow」を、DEVELOP FRAMEは『metaphor』より「metaphor」「OD」を、TRANSTIC NERVEは『TRANSONIC VISION』より「Whisper」「Parallel trip」収録を、Psycho lé Cemuは『Self Analysis』『Kronos』より「聖~excalibur~剣」「クロノス」をそれぞれ収録している。
アルバム製作に携わったseek(Psycho le Cému)、michi.(MASCHERA / AL
ICE IN MENSWEAR)、Nao(ILLUMINA)、
鳴瀬シュウヘイ(DEVELOP FRAME)、TAKA(TRANSTIC NERVE / defspiral)、須方“三四郎”
努(姫路Beta 元店長 / RECエンジニア)、田中克典(Beta Music社長)からのコメントを紹介しよう。
新型コロナウイルス感染拡大によりイベントの中止や延期が相次ぎ、僕達の故郷である姫路のライブハウス「Beta」も厳しい状態が続いております。 昨年末Betaでの公演を行った際にスタッフチームと直接話す時間があり、皆様にも喜びを感じてもらいながらご支援いただける方法がないかを考えておりました。 90年代姫路に生まれたヴィジュアル系シーン、そのシーンを作った5アーティストの現在入手不可の過去音源を今回コンピレーションアルバムという形で一つの作品にさせて頂きます。 アルバムタイトル「VERSUS FATE」はMASCHERAで姫路シーンの先頭に立たれ現在ALICE IN MENSWEARとして活動中のmichi.さんが命名。CDジャケットデザインをTRANSTIC NERVEのメンバーでdefspiralとして活動中のMASATOさん、マスタリングをDEVELOP FRAMEのメンバーで現在仮面ライダーシリーズの楽曲提供などで活躍されている鳴瀬シュウヘイさんとdefspiral RYOさんに手掛けて頂くことになりました。 CDの売上金に関しては製作費、通販手数料を除く売上を姫路Beta運営費として寄付致します。 Psycho le Cémuのメンバー、元スタッフの一員として、長年お世話になっている大切な居場所ライブハウスBetaを守りたくて今回企画し、各バンドさんにお声かけをさせて頂きました。 賛同してくださったMASCHERA、ILLUMINA、TRANSTIC NERVE、DEVELOP FRAME、そしてPsycho le Cémuのメンバーに心から感謝しております。 姫路ヴィジュアル系シーンの一ファンとしてこの作品作りに携われることに興奮しています。 時代の流れの中で変わっていったり無くなってしまうものもある。 けれど、運命に抗ってでも守らなければならない大切な場所が僕達にはある。 皆様どうかお力お貸しいただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。 ──seek(Psycho le Cému)
姫路Betaは今の自分たちを形成してくれた親のような存在。音楽だけでなく人間としても多くのことを学ばせていただきました。そして俺たちだけでなく数々の才能あるアーティストがくぐり抜けてきた由緒あるライブハウス。この歴史とイズムはこれからも連綿と受け継がれるべきです。おそらく世界は新しい時代に突入するでしょう。生き方も変わっていきます。その淵まで手を取り支えるのが子供の務め。そしてその淵を掴んだ暁には、また力強く導いてくださることを親の務めとして約束して下さい。みなさんもこの偉大なる親とその子供たちの闘いを、何卒応援よろしくお願いします。 ──michi.(MASCHERA / ALICE IN MENSWEAR)
1997年、ほとんどBetaに泊まり込むようにして作り上げた、僕たちの初めてのCD『sha-la-la』からの2曲です。 メンバーと、当時の店長の三四郎さん、社長の田中さんという少数精鋭で、限られた機材で試行錯誤しながら作り上げたものすごい熱量で取り組んだ作品です。 演奏技術、レコーディング技術もプロの音とは言い切れないけれど、その後のメジャーで再録した作品にも負けてない力強さを感じていただけます。 切なく青い当時の僕たちやファンの皆さんの空気まで封じ込めてます。 その後、何百というレコーディングの機会をいただいてますが、1番思い出深い作品で、僕の原点となっています。 こうして、またこの作品を聴いていただく機会をいただいてうれしいです。 それもこれもBetaミュージックがそこにあり続けてくれたおかげだと思ってます。 Betaは物理的にも精神的にも僕の故郷です。 ──Nao(ILLUMINA)
姫路Betaという場所にとって、京都出身のDEVELOP FRAMEは異端です。そんな僕らはまだライブハウスとしてのBetaが生まれる前に、MASCHERAと接点が生まれた事でBetaがホームとなりました。当時、他のバンド同士は地元らしい先輩、後輩の繋がりの強さを感じる事が多かったのですが、異端な僕らは親戚の話せる兄ちゃん的な立ち位置だったのも今考えると面白いです。 そして時が経ち、今では全力で駆け抜けた時間を共有した仲間になりました。その仲間たちがそんな時間を過ごさせてくれた場所のために動きます。この企画を立ち上げたseekには感謝です。Betaのために、そしてライブハウスの未来のために。 ──鳴瀬シュウヘイ(DEVELOP FRAME)
姫路Beta支援プロジェクト名の下、令和に蘇る奇跡のコンピレーションアルバム。 全てはここから始まりました。姫路ヴィジュアルシーン創生期の熱や空気を感じて下さい。 ──TAKA(TRANSTIC NERVE / defspiral) 90年代後半。バブル崩壊後の時勢。姫路Betaという小さな地方のライブハウス。 城の前の広場から地下に降りると、確かに地上とは違った異空間があった。 芸術的なポスター。個性的なチラシ。練習スタジオ。暗くて狭いステージ。 「あそこに行くとなんかおもろいで。」異端児たちが集う。 天地が創造される前の混沌と言ったらいいだろうか。総合アートのカオスがあったのだ。 やがて混沌の濁りが次第に沈殿し「5つの神」が出現する。 神たちの初期の「神髄」を集めたものがこの「VERSUS FATE」である。 懐古主義的、感傷的に本作品をき聞いて欲しくはない。 神の初期衝動。アートの持つエネルギーを純粋に感じてほしい。 人類の歴史が証明しているようにパンデミックの後は必ずアートの再興がある。 アフターコロナの世界は「VERSUS FATE」という神話の中にヒントが隠されているのではないだろうか。 ──須方“三四郎”努(姫路Beta 元店長 /R ECエンジニア) 「VERSUS」は、ライブハウスベータがオープンして間もなく立ち上げたオムニバスCD企画でした。 一生懸命音楽に取り組んでいるバンドを応援したい。押し上げたい。それが原動力でした。 普段「この先をどうするか」前に進むことを考える時に、数々の失敗を思い出しながら、「どうすれば良かったのか」と自問自答しますが、改めて四半世紀も振り返ってみると、当時、どんな気持ちで向き合っていたのかを思い出させてくれました。 このコンピレーションアルバム企画を興してくれたseekに感謝。 再びこのタイトルを引き出し、Betaのために集まってくれたメンバー皆に感謝。 ──田中克典(Beta Music社長)