アレが食べたいからこの店へ!東京・日本橋〈山本山〉で、“お茶と海苔”を使った夜限定の鮨会席楽しむ!

〈山本山〉のルーツは、1690年に日本橋で創業した日本最古の煎茶商〈山本嘉兵衛商店〉。玉露を開発したことでも知られており、高級煎茶ブランドとして確固たる地位を築いている。

1947年からは海苔も販売し、ここでも“山本山の海苔”として不動のブランドを確立した。

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店内の様子

アレが食べたいからこの店へ!東京・日本橋〈山本山〉で、“お茶と海苔”を使った夜限定の鮨会席楽しむ!
左:料理長の松原宗孝さん 右:寿司職人の岩花史明さん

この〈山本山〉が2025年4月4日から、旗艦店〈山本山 ふじヱ茶房〉で夜限定の鮨会席料理店〈山本山 嘉兵衛〉を開始。〈山本山 ふじヱ茶房〉の営業終了後に、店内カウンター席を利用して、わずか5席だけのカウンターガストロノミーを実現。白と木目を基調にした落ち着いた雰囲気の中で、料理長を務める松原宗孝さんの料理と寿司職人の岩花史明さんが目の前で握る鮨を堪能できる。

〈山本山〉のお茶と海苔を組み合わせて最上の料理を追求した“夜の会席”(2万2000円)は、始肴にはじまって、組肴、彩り椀八寸、強肴、握り、甘味という構成。始肴と組肴は月替わりで、握りのネタは日替わりとなっている。彩り椀八寸と強肴の牛肉海苔すきしゃぶが定番メニューで、特に味わっておきたい逸品のため、まずはこちらから。

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“彩り椀八寸”

“彩り椀八寸”は、〈山本山〉ならではのお茶と海苔、日本料理の伝統的な食材“すっぽん”を使用し、“1回で5度も美味しい”。最初はすっぽんの真蒸と焼葱と合わせて、その滋味を堪能。次に、香りがよいバラ干し海苔と合わせ、途中からご飯を加えて香味のある雑炊風に。最後は、ダブルウォールの器で八女茶や煎り玄米と合わせてホッと一息付き、最後にライムを搾ってさわやかにする。

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“牛肉海苔すきしゃぶ”

“牛肉海苔すきしゃぶ”は、黒毛和牛のサーロインを自家製の海苔だれとバラ干し海苔とともにすきしゃぶに仕上げた。
海苔だれによって、和牛香が際立ち、醤油、本みりん、砂糖を調味した“かえし”と卵黄を合わせて佳味が深まっている。添えられた車麩のパリパリ感がよい食感で、バラ干し海苔がここでも香り豊か。

ここからは、会席のはじまり始肴から流れに沿って紹介しよう。

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“真鯛昆布〆と清見タンゴールの玉露ポン酢仕立て”

始肴は“真鯛昆布〆と清見タンゴールの玉露ポン酢仕立て”。真鯛の昆布締めに、玉露ポン酢の香りが寄り添う。清見タンゴールの酸味、すじ青のりの香りが出色で、玉露の異香が気品をまとわせる。

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組肴

組肴では、酒肴にぴったりな5品を同時に提供。“伏見唐辛子と合鴨の金平”は、ミモレットチーズが濃厚な味わいの“海苔サンドイッチ”。“新茶葉と旬魚の南蛮漬け”は、南蛮漬けにした旬の太刀魚に、鮮烈な鹿児島県産の新茶葉をあしらった。フルーツトマトの甘味に魅了されるのが、“帆立のミキュイ磯醍醐あん”。“玉露と空豆の胡麻和え”は、ふくいくたる味わいの空豆に、玉露の風味が華を添える。春が旬の希少な真鯛の卵を主役に据えた“鯛の子旨煮”は、海苔のたれが旨い。


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海苔を焼く様子

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左上:小肌 右上:赤貝 左下:赤身漬け 右下:鯵

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左上:紫雲丹の軍艦 右上:トロタクの手巻 左下:中トロ 右下:イクラと玉露の手巻

握りに使われるのは、米酢をメインにブレンドしたお酢を合わせた白シャリ。しっかりと〆て旨味が引き立つ小肌、磯の香りが豊かな赤貝、乙な味わいの赤身漬け、閑雅な風味の鯵、快味を携えた紫雲丹の軍艦、小気味のいいトロタクの手巻、至福の味わいの中トロ、意欲作のイクラと玉露の手巻と、テンポよく華麗に流れる。

デザートの“上喜撰抹茶の羊羹”は、旨味と香りがいい抹茶“上喜撰”を贅沢に使用し、自家製の白あんだけを加えて、抹茶の風味を際立たせた。

お茶と海苔を使った料理との相性を基準に厳選したお酒が用意されているので、鮨会席に合わせたい。

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左上:“抹茶ビール” 右上:“煎茶ジン” 左下:“蒼空” 右下:“日日”

“抹茶ビール”(1500円)はサントリーのプレミアムモルツに、目の前で点てた抹茶を加えた。抹茶のなめらかな旨味が加わり、複層的な味わいをもつ。ロック・水割り・ソーダ・トニックのいずれかで楽しめるのが“煎茶ジン”(1500円)。人気の飲み方は、煎茶の風味に寄り添うトニック。ハーバルなニュアンスが強調されて、よりさわやかになる。“蒼空”(1850円/小 7300円/一本 500ml)は米の旨みがしっかり感じられるが、軽やかな後口。お茶や海苔の風味との相性も抜群。程よいガス感とほとばしるミネラル感がある“日日”(7200円/一本 四合瓶)は、握りに合わせたい。
どのようなネタも寛容に包み込んでくれる懐の深さがある。

〈山本山〉が新たに開始した鮨会席料理店では、お茶、海苔、鮨、日本料理と、日本が誇る食文化が凝縮されている。隠れ家的ながらも、本格的な料理を味わえるとあって、話題をさらいそう!


●夜の会席 2万2000円
・始肴
 真鯛昆布〆と清見タンゴールの玉露ポン酢仕立て(海苔/すじ青のり、玉露/やまもとやま)
・組肴
 伏見唐辛子と合鴨の金平(海苔/にほんばし)
 新茶葉と旬魚の南蛮漬け(新茶葉/日替わり)
 帆立のミキュイ磯醍醐あん(海苔/すじ青のり)
 玉露と空豆の胡麻和え(玉露/やまもとやま)
 鯛の子旨煮(海苔/あさくさ バラ干し海苔)
・彩り椀八寸 すっぽんスープ
 一、丸仕立て すっぽん真蒸、焼葱 露生姜
 一、海苔仕立て バラ干し海苔、芽慈 〈凌ぎ〉黄金てまり
 一、煎茶仕立て~口替り~ かぶせ八女茶、旬魚炙り 煎り玄米、ライム
・強肴
 牛肉海苔すきしゃぶ 牛サーロイン、青味 バラ干し海苔、車麩
・寿司握り八貫
・甘味
 上喜撰抹茶の羊羹
・水物
 季節の果物   

 



INFORMATION

●山本山 嘉兵衛
住所:東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング
営業時間:18:00~22:00(21:00LO)
定休日:日・月曜
TEL:090-2430-9210(火~土曜11:00~22:00)
URL:https://yamamotoyama.co.jp/pages/yamamotoyama-kahee
※サービス料なし
※キャッシュレス決済のみ

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文=東龍 text:Toryu
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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