今週末は、この映画に胸アツ!映画『罪人たち』 生きるか死ぬかの瀬戸際を描く骨太作品!

今週末は、この映画に胸アツ!映画『罪人たち』 生きるか死ぬか...の画像はこちら >>


観たい映画を選ぶ時、“ジャンル”はひとつのポイント。ただし最近は、ジャンルをクロスオーバーした作品も増え、そこに新たな面白さを発見できるようになった。
『罪人たち』は、まさにそのパターン。タイトルだけ聞くとシリアスなサスペンスのようだが、思わぬ方向に引きずり込み、全米では予想外の大ヒットも記録した!

舞台となるのは1930年代のアメリカ南部、ミシシッピ州。双子の兄弟スモークとスタックが、金儲けを目的にダンスホールを開業しようとする。酒や音楽が禁じられた土地での“闇商売”だが、店のオープンには多くの客が集まり大盛況。しかし“招かれざる者”たちが店に現れ、信じがたい事態へとなだれ込んでいく……。ジャンルを超える本作を、あえて特定するならサバイバルホラー。つまり登場人物たちに恐ろしい試練がもたらされ、生きるか死ぬかの瀬戸際が描かれるのだが、そのような紹介が生ぬるく感じるほど、映画を観るわれわれに異次元の体験が届けられる。エモーショナルなヒューマンドラマ、濃密な愛の関係、人種問題という社会派テーマ、アドレナリンが上がる肉体アクション、そして何より、“音楽=ブルース”の使われ方が超絶カッコよく、あらゆる側面から楽しめる仕上がりになっている。どんな映画かわからないで観に来た人をノックアウトさせるパワーがあるのだ。

監督はライアン・クーグラーで、主演はマイケル・B・ジョーダン。あのロッキーの次の世代を描いたボクシング映画『クリード チャンプを継ぐ男』や、マーベルのヒーロー大作『ブラックパンサー』など、クーグラーの監督作には、つねにジョーダンが貢献してきた。しかも今回、ジョーダンは主人公の双子2役を演じ分けている。
何も知らずに観たら、よく似た別人としか思えない。その双子の性格の違い、彼らの町での立場や思惑が見え隠れする冒頭こそ、やや静かなムードだが、じわじわと不穏な空気が忍び寄り、中盤での怒涛の盛り上がりと、映画の構成もパーフェクト。ポイントでは記憶に残るクールなセリフも収められる。そのすべてを満喫するうえで、最高の映像&音響、つまり映画館で体感するべき作品だ。

『罪人たち』6月20日公開
製作・監督・脚本/ライアン・クーグラー 出演/マイケル・B・ジョーダン、ヘイリー・スタインフェルド、マイルズ・ケイトン、ジャック・オコンネル 配給/ワーナー・ブラザース映画
2025年/アメリカ/上映時間137分

●こちらの記事もオススメ!
【まとめ】絶対に泣ける感動映画67本!
   

 

文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
photo by AFLO

編集部おすすめ