今週末は、この映画に胸アツ!映画『スタントマン 武替道』 冒頭のジャッキー映画へのオマージュシーンが熱い!

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2025年初めに日本で公開され、一部で熱狂的な支持を集めた『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』。失われつつある香港アクション映画の伝統を復活させたわけだが、その流れでさらに胸を熱くする作品がお目見えする。
それが『スタントマン 武替道』だ。

“武替道(ぶたいどう)”とは“スタントの道”を意味する中国語。ブルース・リー、ジャッキー・チェンらを輩出した香港アクション映画は、当然ながらスタントマンの技術やチャレンジ精神も一級品。そのスタントマンの世界への限りない愛情を込めたのが本作である。1980年代、一流のアクション監督として活躍していたサムだが、撮影現場での事故の責任をとって引退。整体師に転身してその後の人生を送っていた。そんな彼にもう一度、アクション監督のオファーが舞い込む。しかし数十年ぶりの現場で、“何でもアリ”だった時代のサムのやり方は通用しない。主演俳優は、かつてのサムの弟子で、現場での関係作りも難しい。さまざまな困難とともに撮影の舞台裏が描かれるのだが、そこにはアクション映画への愛が満ち溢れ、アドレナリンが上昇する作りになっている。

冒頭から一気にテンション上げる演出を用意。サムが80年代に関わった映画として、ショッピングモールを舞台にしたアクションシーンが展開されるのだが、これが1985年の『ポリス・ストーリー/香港国際警察』の完璧オマージュ! 敵が豪快に投げられて粉々になるガラスの什器や、キャストの“決め顔”ショットなど、当時のジャッキー・チェンがそこにいるような錯覚すらおぼえる。
一方で中盤の街でのゲリラ撮影シーンでは、ものすごい勢いで撮る劇中映画と、それを収める本作のカメラという二重構造で、今っぽい怒涛のスペクタクル感が完成。“今の香港映画は死んでる。でも俺より先には死なせない”、“命がけだから面白くなる”などセリフも熱いのだが、ドラマにぴったりフィットしているので、素直に感動してしまうはず。サムに憧れる若きスタントマン役のテレンス・ラウ、主演スター役のフィリップ・ンは『トワイライト・ウォリアーズ』にも出演していたので、その記憶とともに観れば興奮度も爆上がりする!

『スタントマン 武替道』7月25日公開
監督/アルバート・レオン&ハーバー・レオン 出演/トン・ワイ、テレンス・ラウ、フィリップ・ン、セシリア・チョイ 配給/ツイン
2024年/香港/上映時間114分
   

 

文=斉藤博昭 text :Hiroaki Saito
©2024 Stuntman Film Production Co. Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

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