こんな時代だからこそ大きな買い物は失敗したくない、と考える向きは、ビジネスコンシャスなエグゼクティブのほうが顕著かもしれない。趣味のために乗るスポーツ系ならまだしも、アシとしたい日常カーであればなおのこと。……という事情を鑑みて(?)、以前もご紹介したオトクな新グレードが、ひとつ上のクラスにも用意されたというタイミングで、成熟極まるコチラをご紹介しておきたい。〈メルセデス・ベンツ〉GLE 450 d 4MATIC スポーツコアだ。
ご存知のとおり、現在〈メルセデス・ベンツ〉にはすべてのクラスにSUVの設定があり、どれも販売は好調だ。いまや販売の半数をSUVが占め(2024年実績)、その大きなパーセンテージを占めるのが弟分に当たるGLCではある。しかし、やっぱりたっぷりしたボディサイズに3列シートを備え(同じGLEでも直4ディーゼルの300dは5人乗り仕様となる)、プレミアムブランドらしい落ち着きをも備えた“E”ベースのGLEは、エクステリアの存在感、インテリアの上質さともに格別。しかも現在、ベースのEクラスはフルモデルチェンジを終えており、現行GLEは成熟極まる“間違いない”選択肢。特に上級SUVの証、直6ディーゼルを搭載する450dは、やはり走りの面でも“欧州プレミアム”らしいロングツアラーとしての魅力が満載だ。
改めて試乗してみると、3ℓ直6の367ps/750Nmのディーゼルエンジンに、マイルドハイブリッドのISGのぶん、20ps /200Nmを加えたパワフルさは意外なほどに黒子に徹し、通常モードでは「さすが“E”……」と思わず声が出るほどに、あくまでもゆったりとした上品さを漂わせる。ペダルへのプッシュに対しても、車高の高さを感じさせないほどにフラットに、かつなめらかに巨体を押し出すあたりはさすがのエレガンスだ。個人的にこの直6ディーゼルの品のよさには、乗るたびにいつも感心させられるのだけど、やっぱり今回も例外ではなかった。なめらかなのに芯がある感じ。軽やかだけど、さらにその先にギュッとトルクが詰まっている感じ。
そしてパワフルだからこそ叶えられる、静粛性の高さ。本当に、プレミアムディーゼルに求めるすべてを上手に叶えているなと、悦に入らせてくれること請け合いだ。
で、今回追加された“コア”グレードは、そんな人気のGLEから標準装備やオプションを削って、なんと従来の450 dから130万円もの(!)価格を抑え、税込み価格1379万円を実現している。
具体的にはスポーツステアリングを通常の本革巻きステアリングに変更していたり、シートを本革/ナッパレザーからレザーARTICOに変更していたり、また、AMGラインインテリアを廃止といった、コスメ的な削減が大きい。走行でいえば“Eアクティブ ボディコントロール パッケージ”を選択不可にしている。しかし、ほかの走行性能やパワートレーンは共通なので、このパッケージがビッタリとハマる人は意外に多いかとも思う。さ、浮いた130万円で、あなたならこの夏、どこへ行く?
気になるスペックは?
★DATA 〈メルセデス・ベンツ〉GLE 450 d 4MATIC スポーツコア
●全長×全幅×全高:4925×2020×1780㎜
●車両重量:2480kg
●ホイールベース:2995㎜
●エンジン:3.0ℓ直列6気筒ディーゼル
●エンジン最高出力:270kW(367PS)/4000rpm
●エンジン最大トルク:750N・m/1350~2800rpm
●ハイブリッドモジュール最高出力:15kW/1300~2500rpm
●ハイブリッドモジュール最大トルク:200N・m/0~550rpm
●トランスミッション:9速オートマチック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:1379万円~
INFORMATION
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文=今井優杏 text:Yuki Imai