今週末は、この映画に胸アツ!『バレリーナ:The World of John Wick』 アナ・デ・アルマスの激しくも華麗なアクションに惹かれる!

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映画の人気シリーズは回を重ねながらも、ある時点で“新たな進化”が求められる。すでに4本が作られたキアヌ・リーヴスの『ジョン・ウィック』も、このパターンを鮮やかに踏襲した。
主人公を変えた最新作が届けられたのだ。今回は女性の殺し屋イヴが大活躍。過去の作品とどこで繋がり、シリーズのスピリットがどう受け継がれているのかを確認したい。

無骨でパワフルな動きをみせたジョン・ウィック。その殺し屋のイメージを、今回は一変させる。肉体はスレンダーで柔軟性が抜群。ただし最強の殺し屋としては発展途上のイヴ。しかしジョン・ウィックとの共通点もあり、それは周囲を寄せつけない孤高のムードと、敵の動きを瞬発的に察する“野獣的”センスだ。子供時代に父親が殺され、その復讐心から暗殺者を養成する組織に入ったイヴ。クラシックバレエと暗殺のテクニックの両方を身につけた彼女は、大人へと成長し、復讐の手がかりをつかむ。イヴが訓練を受ける組織“ルスカ・ロマ”は、かつてジョン・ウィックも学んだ場所。時系列としてはシリーズ3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』あたりと考えられ(同作にはバレエダンサーも登場)、ジョンとイヴの接点も描かれながら、怒涛のバトルへとなだれ込んでいく。

  
イヴ役のアナ・デ・アルマスは、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のキューバの新米エージェント役で意外性のあるアクションで魅了したが、今回は全編にわたってハードな格闘に挑み、観ているこちらを痺れさせる。パワーというより柔軟性で相手の関節を攻撃し、スケート靴から食器まで瞬発的に何でも武器にするなど、戦闘のスタイルに説得力がある。その激しくも華麗な動きと、どこかあどけなさも残るアナの顔立ちのギャップもたまらない! キアヌ・リーヴスの登場シーンも多いので、シリーズ過去作でのジョン・ウィックと、今回のイヴの戦いっぷりをシンクロさせながら観るのも面白いかも。イヴを中心に他のキャラクターの運命もドラマティックだが、『ジョン・ウィック』ファンにとって最も胸が詰まるのは、NYコンチネンタルホテルのシーンだろう。おなじみのコンシェルジュ役、ランス・レディックはこれが遺作となってしまったので、その味わい深い演技を目に焼き付けてほしい。

『バレリーナ The World of John Wick』8月22日公開
製作総指揮・出演/キアヌ・リーヴス 監督/レン・ワイズマン 脚本/シェイ・ハッテン 出演/アナ・デ・アルマス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、ランス・レディック 配給/キノフィルムズ
2025年/アメリカ/上映時間125分

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文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
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