中国のポータルサイト・新浪に28日、日本が14年間かけて作った巨大排水システムが、台風シーズンの東京を最も安全な場所に変えたとする記事が掲載された。

 記事は、日本では台風や豪雨による浸水被害が頻繁に発生することで知られているとする一方、首都の東京では「2006年以降、洪水災害は少なくなっている」と紹介。
その背景には、「世界で最高の排水システム」が整備されていることがあると伝えた。
 
 そして、1993年からおよそ14年かけて作られた、埼玉県の国道16号線の地下50メートルに存在する巨大地下水路「首都圏外郭放水路」に言及。同放水路は豪雨による進水を防ぐために建造されたシールドトンネルで、最先端の土木建築技術が駆使されており、規模の巨大さ、空間の広さから「地下宮殿」の異名さえ持っているとした。

 また、同放水路は深さ70メートル、内径30メートルほどの大型立坑5カ所と接続しており、豪雨時に東京周辺の河川で流量を超えた分の水を集めて、川幅が広い江戸川に放流することで、流域の洪水、浸水を効果的に防ぐことができると説明。特筆すべきはその排水能力で、1秒間に200立方メートル、25メートルプール1つ分の水を流すことができるポンプを備えているとしたほか、中央操作室で東京各地の豪雨状況や排水状況がモニタリングされていることで的確な排水を行うことができると伝えている。
 
 記事はその上で、同放水路ができる前に比べて東京都内の浸水世帯、浸水面積が大きく減少したと紹介。「14年で百年の計を作り上げ、東京の水害を徹底的に改善したことは実に聡明。これには多くの国が学ぶべきであることは否定しようがない」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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