日本の新幹線方式を採用した台湾高速鉄道は、2007年に開業し、台北と高雄を最短約90分で結んでいる。中国の動画サイト西瓜視頻はこのほど、台湾高速鉄道に乗ってみたという動画を配信した。
配信者は、台湾在住の中国人女性で、桃園から高雄の左営まで高速鉄道で移動したという。まずは桃園駅の様子から撮影しているが、中国語のアナウンスに加えて台湾語(閩南語)でのアナウンスもあると紹介した。台湾高速鉄道ではアナウンスを中国語、台湾語、客家語、英語の4言語で流すのが特徴だ。
台湾高速鉄道は、日本と同様に指定席と自由席があるが、配信者は自由席を購入したという。中国高速鉄道の場合は全席指定で自由席はなく、座席のない「無座」なら少数販売している。
小さな子ども2人を連れた配信者は、自由席を購入したが残念ながら座席は空いていなかったようだ。座席に座ることができなかったので、快適さなどは分からなかったようだが、座席のデザインは新幹線そっくりで、こうした点からも新幹線方式が採用された事実が見て取れる。
撮影時期はコロナ禍前とあって、車内は大勢の乗客でごった返しており、立ったままの乗客が通路までぎっしりの様子が映っている。台湾高速鉄道には日本の電車や地下鉄の車両にあるような「優先席」があり、配信者は優先席の付近で子どもと一緒に立っていたという。車内アナウンスで「高齢者や子ども連れの人に席を譲りましょう」と流れているものの、優先席に座った若者が席を譲ることはなかったと不満そうに伝えている。
中国高速鉄道は全席指定なのでこのような問題は起きないが、他人の座席に勝手に座って動かない「覇座」と呼ばれるトラブルが時折発生しているのが中国だ。これは優先席で席を譲るかどうかよりも悪質な問題と言えるだろう。