中国の科学技術分野における発展は目覚ましいものがあり、高速鉄道や国産空母などは多くの中国人にとって誇るべき存在となっている。しかし、自動車分野となるとまだまだ遅れているのが現状だ。


 中国メディアの快資訊はこのほど、「中国は空母や高速鉄道を自前で造れるのに、なぜATトランスミッション(オートマチックトランスミッション)は造れないのか」と問いかけ、その理由について業界関係者の意見を紹介する記事を掲載した。

 記事は、中国の自動車業界も長足の進歩を遂げており、エンジンを自前で生産できるだけでなく、エンジン性能も高くなったと主張した。また、シャーシでは、まだ海外メーカーに及ばないとはいえ、通常の使用には耐えられる程度にまで質が向上しているという。しかし、トランスミッションだけは外国から購入しているのが現状であり、その多くが日本メーカーを使用しているそうだ。

 空母や高速鉄道を造れるのにトランスミッションは造れない理由について記事は、業界関係者の話として3つを挙げた。1つは「工業レベルがまだ遅れているため」で、トランスミッションはとても精密なので中国はまだそこまでのレベルに達していないと指摘した。

2つ目は「自動車の研究開発者が少ないこと」だ。トップレベルの開発者は国家プロジェクトの開発に携わるため、自動車業界は人材を確保できていないという。3つ目は「ベアリングの技術力が弱いため」で、ベアリングを多く使用するトランスミッションを作るのが難しいと説明している。

 実際のところ、中国メーカーでもトランスミッションの製造をしてはいるが、世界的なシェアを見ると日本メーカーが圧倒的な強さを見せている。この分野で中国が追い付くのはまだまだ時間がかかりそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
編集部おすすめ