中国では2021年3月に開催された全国人民代表大会において、第14次五カ年計画と2035年までの長期目標要綱が承認されたが、これには2035年までに交通網をさらに充実させることが含まれている。中国メディアの捜狐は13日、中国山東省が交通整備に本気を出していると紹介する記事を掲載した。
中国の高速鉄道網はすでに全土に張り巡らされ、高速鉄道による主要な都市間の移動は全て可能になった。他の交通網も第14次五カ年計画に後押しされ、空港や港、橋、幹線道路の建設や整備が着々と進むだろうと記事は伝えている。
交通網のさらなる充実に向けた取り組みの1つに「全国123移動交通圏」というものがある。これは都市間の移動をよりスムーズにすることを目指したもので、2035年までに通勤での移動を1時間圏内、都市間の移動を2時間圏内、主要都市間の移動を3時間圏内にするという目標だ。
記事は、この目標に先駆けて第14次五カ年計画の終わりとなる2025年までに、山東省威海市で「123移動圏」を実現する予定だと紹介した。付近の小都市を威海市まで通勤1時間圏内とし、「膠東経済圏」と呼ばれる近隣都市とは2時間圏内とする予定で、さらに中韓海底トンネルや日韓海底トンネルが現実のものとなれば「山東省内のみならず、日本と韓国までもが3時間圏内になる」と主張した。
威海市は韓国にほど近く、過去には中韓海底トンネルを建設して高速鉄道でつなぐ案が出ていたこともある。また、韓国では日韓海底トンネルについての計画があるのも事実だ。その現実性はともかく、中国は国内だけでなく、海外との移動時間短縮も視野に入れているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)