新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐり、中国ではH&Mやナイキ、アディダスなどに対する不買運動が行われている。過去には歴史問題や領土をめぐる対立を理由に、日本ブランドも不買の対象となったこともあるが、中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、中国における外国ブランドの不買運動は「結局は失敗に終わる」と主張し、その理由について説明する動画を配信した。


 この動画を制作した中国人配信者はまず、中国人はこれまで不買運動を何度も展開してきたが「どれも長続きしなかった」と指摘している。一例として、かつて中国人は日系車の不買運動を行ったが、「日系車を運転する中国人は減少しただろうか?」と反語形式で視聴者に問いかけた。

 中国メディアの蓋世汽車資訊によれば、2021年6月の中国自動車市場で販売台数が最も多かったのはトヨタで、2位がフォルクスワーゲン、3位がホンダ、4位が日産という結果だった。これは中国における不買運動が長続きしないという点を立証する結果だと言えるだろう。

 一方で、なかには「韓国ブランドの不買運動は成功したではないか」と反論する中国人もいるそうだ。確かに韓国がTHAADミサイルの配備を決定した際、中国では韓国製品の不買運動が行われた。
しかし動画では、韓国メーカーのスマートフォンが中国市場でシェアを落としたのは不買運動によるものではなく、OPPO、HUAWEI、小米などの中国製スマートフォンのクオリティが向上した結果だと論じた。

 動画では、不買運動の対象となった製品やブランドの品質が中国製品よりも優れていれば、中国の消費者は「結局、そのブランドの製品を欲しがる」のであり、「品質の良い製品が欲しい」というのが中国人消費者の本音だと主張。まさに日系車の事例こそがその証拠であり、こうした考え方である以上は「外国商品の不買運動は絶対に長続きしない」と分析した。

 結論として、優れた外国商品が欲しいという気持ちに逆らって無理に不買運動を行うよりも、優れた外国商品から良い影響を受けて中国製品のクオリティを向上させることの方が大事だと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)