世界の自動車産業で電動化の動きが加速しているが、特に中国では補助金などの政策の後押しもあり、電気自動車(EV)の普及が進んでいる。EV用の電池製造に欠かせない材料の1つにコバルトがあるが、中国メディアの百家号はこのほど、中国はコバルトの大量確保に成功しており、争奪戦でリードしていると伝える記事を掲載した。


 記事はコバルトについて、EVの電池のみならず、航空機のエンジンや多くの最先端兵器にも不可欠なレアメタルで、非常に貴重な資源だと指摘した。そして、さまざまな天然資源が豊富に存在する中国でも、コバルトの埋蔵量については非常に少ないという。 

 記事は、中国もレアメタルのコバルトについては輸入する必要があると指摘する一方、これは「もともと資源の少ない工業大国の日本も同様だ」と紹介し、それゆえ近年はコバルトの争奪戦が起きていたと伝えた。

 そのうえで、アフリカのコンゴ民主共和国には、多くのコバルトが埋蔵していると紹介。世界全体の埋蔵量は約710万トンだが、コンゴはこのうちの約半分の埋蔵量を占めているという。そして、中国は近年、コンゴにおける採掘権の獲得に成功しており、コバルトの争奪戦でリードしていると指摘した。

 とはいえ、コンゴにおけるコバルト採掘は児童労働が問題となっているほか、コンゴの政情は決して安定しているとは言い難く、治安もあまり良くないと言われる。さらに、日本企業はコバルト不要のEV電池の開発も進めており、貴重な資源を使わない電池の実現に期待したいところだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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