中国には「教育は最も安価な国防である」という言葉がある。子どもに良質な教育を与えることの重要性を訴えたものだが、この点で日本は良い手本になっているのだという。
記事では、「国を強くするためには、高等教育よりも基礎教育を重視して、民度を高める必要がある」という情報通信ネットワーク分野の専門家の意見を紹介している。この専門家は、日本の教育は「ばらつきが小さく、均質化されているがゆえに子どもたちの学力もある程度均質化できて、理想的」と力説しているそうだ。
記事はまず、中国の教育は「格差」が大きすぎて、子どもたちの学力には大きなばらつきが生じていると問題点を指摘している。同じ地域にあるにもかかわらず、学校によってレベルの違いが大きく、教師の質も大きく異なるのが中国の教育の現状だと指摘。さらに幼稚園の頃に小学校の勉強をし、小学校の頃に中学校で習う内容を勉強するなど、どんどん競争が激化していると紹介し、その結果として子どもたちは知識を詰め込むだけのロボットのようになり、社交性や探究心は軽視され、子どもならではの創造性や身体の健やかな成長が失われているのが現状だと論じた。
中国は「中華民族の偉大な復興」という夢を掲げているが、その夢の実現は次世代の中国人に託す必要がある以上は「教育が非常に重要だ」と指摘する一方、青少年たちが正しい考え方を身につけ、健康な肉体を手に入れることができなければ、「中華民族の偉大な復興」という夢は「どこかで問題に直面することになる」と強調した。
記事は、専門家の見解として中国の教育における問題は「教育資源の不均衡」がもたらしていると指摘する一方、日本は教育資源が極めて均質的だと指摘。たとえば日本の公立学校では定期的に教師が移動するので、どこの学校に通っても教育水準にばらつきがなく公平で、安心して地元の学校に通えると伝えている。さらにハード面に関しても、日本では大都市か生徒数の少ない田舎の学校かに関わりなく、公立学校の設備はどこも同じだと紹介した。田舎の学校にまで、音楽室やプール、サッカーのできる校庭、体育館などの設備があるというのは、中国では考えられないことのようだ。「日本では、ハード面で学校を選ぶという考えがない」と紹介した。
記事は結論として、ハード面・ソフト面の両面で、日本のような教育の公平性を実現させるには「法律の制定」に頼る必要があると論じている。日本のように「教育資源の不均衡」をなくすことで、次の時代を担う「人材の質」の不均衡をなくすことができ、人材の質を担保することで国の未来を担保できるとの見方を示している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)