中国はますます愛国主義に傾いているようだ。人気俳優でも、一夜にして「非愛国者」扱いされるケースも出てきている。
中国メディアの快資訊は16日、「張哲瀚(チャン・ジャーハン)事件」から、愛国心を見直そうと呼びかける記事を掲載した。

 記事が指摘した「張哲瀚事件」とは、中国の俳優・張哲瀚が靖国神社で撮った記念写真がネット上で出回り、炎上した事件のことだ。これに加えて、過去に乃木神社で行われた友人の結婚式に参加したことも発覚して騒ぎが大きくなり、結局20社あまりのCM契約が解除される事態となった。

 記事の筆者は、張哲瀚事件の問題点を「日本による文化輸出が激化していることにある」と分析し、愛国精神を改めて呼びかけた。中国では近年、日本が文化面から中国を侵略している、という論調が目立ってきたが、張哲瀚事件は中国人の意識のほどを示していると言えそうだ。

 記事は張哲瀚の「無知だった」という釈明をわきに置き、範冰冰(ファン・ビンビン)、鄭爽(ジェン・シュアン)、吴亦凡(ウー・イーファン)と並んで「中国人に超えてはならないボトムラインを示した」と主張した。この3人はそれぞれ脱税、代理出産と育児放棄、強姦罪で問題となった中国の芸能人だ。

 中国では日本の神社で写真を撮るだけで、「非愛国者」扱いになってしまうというのは恐ろしい話だ。また、炎上のきっかけになった写真は、いずれも2、3年前の写真で、なぜ今になって炎上したのかというのも気になるところだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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