中国にとってなくてはならない存在となった高速鉄道だが、路線の大半が赤字となっており、高速鉄道の運営を担う中国国家鉄路集団は莫大な負債を抱えている。中国高速鉄道の売上は伸びているのに、中国国家鉄路集団はなぜ莫大な負債を抱えているのだろうか。


 中国メディアの網易はこのほど、この理由について分析し、対処策を提案する記事を掲載した。赤字を垂れ流す高速鉄道は14億の人口でも「養いきれない」とし、「運賃値上げはやむを得ない」としている。

 記事は、高速鉄道が赤字となる理由の1つとして「車両価格が高いこと」を挙げた。普通の車両は1両2億元(約34億円)で、高性能車両は3億元(約51億円)もするという。この費用だけでもかなりの金額になると指摘した。また、別の理由として建設費用は「銀行融資」で賄ったため、利息だけで膨大な額になり、これに人件費など運営コストがかかるため支出が多いことを挙げた。さらに年間を通して運賃が同じであるため、利益が出にくいとしている。

 では、どのようにして赤字を解消すればよいのだろうか。記事は2つの方法を提案している。その1つが「新規路線計画の審査を厳格化し、運行速度を落とすこと」だ。高速鉄道はすでに多くの都市をカバーしているので、今後はコスト回収の現実性を考えて慎重に審査すべきだとした。そして、運行速度を少し落とすことでコスト削減になると主張した。


 2つ目の方法は「運賃の値上げ」だ。収入のほとんどを運賃で賄っているので、年間を通じた統一価格ではなく、最盛期と閑散期の価格差をつけるべきだとしている。また、駅弁価格も上げるべきだと主張した。しかし、値上げは国民の反発を招きやすく、客離れを引き起こす可能性も高い。中国高速鉄道の黒字化は容易なことではなさそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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