日本といえば「匠の精神」を連想する中国人は少なくないが、中国人にとって匠の精神は理解に苦しむ面もあるようだ。中国メディアの新浪はこのほど、「匠の精神と日本人の性格」と題する記事を掲載し、匠の精神が生まれた背景にある日本人の性格について分析した。


 記事は、匠の精神と日本人の性格は密接に関連しているとし、その重要な要素の1つが「日本人の真面目な性格」だと主張。魯迅も日本人の最大の長所として「真面目さ」を挙げていると記事は指摘している。日本人の真面目な性格はあらゆるところに体現されており、例えば日本の大学で中国語を教えている中国人教授によると、日本人学生に「週末に何をしたか」と尋ねると、手帳を開いて確認し、辞書で調べてから中国語で答えるそうで、決して適当には答えないという。

 別の見方として、匠の精神は「勤労の精神」から来ているとの意見があると伝えた。日本人の勤勉さは他国とは違って我を忘れて労働にすべてを捧げるほどで、農作業においても完璧さを追求する傾向があると指摘している。これは、販売する農産物の形や大きさ、色をそろえることからもよく分かるという。

 さらに、「日本の等級制度と固定化」が匠の精神を育んだとの見方もあるという。江戸時代の身分制度と世襲制度ゆえに、一生かけて自分の仕事を磨き上げる習慣ができたと分析した。このような固定化した社会の方が「安心」するので日本人は固定化を好むとしている。

 しかし記事は、匠の精神は良い面もあるがマイナス面もあって日本の製造業の足を引っ張っている点もあると指摘した。それは、匠の精神に過度に依存したため、製品の標準化や共通化をおろそかにし、低コストでの量産が不足していることと、企業の製品に対する要求が高すぎて市場を無視するのでコスト高となり、市場の変化について行けなくなったことだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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