国内総生産(GDP)では日本を超えている中国だが、それでも多くの中国人が「この分野は今でも日本に全く歯が立たない」と感じることの1つに「世界に与える文化的な影響力」があるという。

 中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「日本文化はなぜ世界に対してこれほど大きな影響力を持っているのか」というタイトルのスレッドが立てられ、中国人ネットユーザーたちが活発に議論を交わしている。


 隋や唐の時代の中国の文化は日本に大きな影響を与えたのは事実だが、現代中国に限って言えば、世界に影響を与えるような文化はまだ少ないと言えるのかもしれない。一方、アニメや漫画といったコンテンツのほか、ファッションや雑貨、デザインといったものまで含めた広範な意味での日本文化は現代中国において幅広く受け入れられており、その浸透度合いに対しては警戒感すら高まっている。遼寧省大連市にオープンした日本タウンが休止に追い込まれたのも、裏を返せば浸透する日本文化に対する警戒感があったからだろう。

 このスレッドを立てた中国人ネットユーザーは、日常のさまざまな分野に及ぶ日本文化は「厚みがある」としたほか、自国文化の魅力を海外に伝える能力の点でも中国は日本に全く及ばないのが現状だと主張。そのうえで「なぜ日本文化は大きな影響力を持つことができたのか」と問いかけている。

 スレ主の質問に対し、「日本文化は確かに世界的な影響力を持っていて、しかも影響力は拡大し続けている」と認めるコメントが多く寄せられ、これは「文化や製品の質」と関係しているのではないかと考察する意見が多かった。
たとえば「日本人は海外でマナーが良いため、歓迎される外国人客となっている」としたほか、「日本製品も品質の高さで知られている」とし、こうした良質な評価の積み重ねが日本文化の影響力を強化するのに貢献したのではないかという声が見られた。

 また、「サクラ」が中国原産の植物でありながら、今では日本を代表する植物と認識されていることを例に挙げ、「日本人は1つのことを文化に昇華させるのが上手であり、またそれをアピールするのも上手い」という意見もあった。サクラに限らず、「茶道」や「書道」、「盆栽」など、元々は中国に文化的起源がありながらも今では日本文化として広まったものは少なくない。また、文化の影響力と「国力」は無関係ではないとし、「日本は150年以上も前の明治維新で勃興し、それからずっと強国であり続ける国だ。これだけの国力を持つ国の影響力が小さいわけがない」といったコメントも見られた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)