日本のお家芸と言われてきたリチウム電池だが、近年は中国や韓国メーカーの台頭が著しい。しかし、リチウム電池の「材料」の分野では、今も日本の強さが目立っている。
中国メディアの百家号は10月29日、「日本が絶対的な強みを持つリチウム電池用材料」を4つ紹介する記事を掲載した。

 記事が挙げた1つ目の材料は「六フッ化リン酸リチウム」だ。これまで日本が独占状態で、たった3社で世界シェアの75%を占めていたこともあるほどだと伝えた。六フッ化リン酸リチウムは、リチウムイオン電池の主要原料でコストも高く、中国は国内生産に力を入れているものの、品質ではまだ日本のレベルに届かないという。

 2つ目は「アルミラミネートフィルム」で、やはりこれも日本企業2社が世界市場のほとんどのシェアを占めていると伝えている。そのため日本から輸入するほかなく、韓国製でも替えが効くが日本製ほど品質が高くなく、中国企業に至ってはまだ研究中だとした。


 3つ目は「電池保護IC」、4つ目には「タブフィルム」を紹介した。これらに関しても「日本メーカーが大きな存在感を持つ分野だ」と紹介した。

 記事は日本のリチウム電池に使われる材料の強さを伝えているが、中国と韓国も技術力が向上しているのは確かだ。2021年4月には、日本の電池材料メーカーを含む28社が、国際競争力を図るため「電池サプライチェーン協議会」を設立している。日本の電池業界のさらなる発展に期待したい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)