日本では医師の約9割が処方薬に漢方薬を使用するほど、漢方薬が広く普及している。漢方薬は国内のみならず世界中へ輸出して世界シェアの多くを占めているが、本家であるはずの中国の漢方薬の世界シェアはごくわずかだ。
記事はまず、中国の伝統医学である中医学は、中国国内において西洋医学の普及と共に一時期廃れたが、最近になって見直されるようになり、漢方薬の販売量が増えてきていると伝えた。そして、これを機に世界市場へと繰り出したいところだが、すでに日本によって多くのシェアを奪われてしまっていると恨めしそうに伝えた。
しかも、日本企業が製造販売する漢方薬の原材料のなかには中国から輸入したものも少なくないと指摘し、「我々の先祖の智慧の結晶を日本が持ち出して稼いでおり、無知な中国の生薬業者が喜んで輸出してしまっている」と主張した。また、日本は漢方薬に関する国際特許もかなり持っているのに対し、中国の国際特許出願はわずか0.3%しかないと指摘し、これは「中国が中医学を軽視してきたことに大きな問題がある」と分析した。
さらに、漢方薬は効果が表れるのに時間がかかるのに対し、西洋薬は効果が早く表れるため、多くの中国人が「漢方薬は役に立たない」と思ってしまったとし、その隙に日本に世界シェアを奪われてしまったと主張している。そして、今や多くの中国人が日本に行って漢方薬を買うという「嘆かわしい」状況になったと伝えた。
実際のところ、訪日中国人に人気の日本の漢方薬は「中国の漢方薬の模造品」に過ぎないと記事は主張し、模造品を「神薬」としてもてはやすのは、「外国崇拝にほかならない」と批判した。記事は日本のことも批判しているが、やはり一番の問題は、中医学や漢方薬を軽視してきた中国の姿勢にあるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)