日本人の食卓に欠かせない「醤油」は、中国から伝わった「醤(ひしお)」が前身だと言われている。醤油は日本と中国とでそれぞれ異なる発展を遂げてきた調味料と言えるが、中国メディアの快資訊は26日、「日本の醤油は中国から伝わったものなのに、全然違うのはなぜか」と題する記事を掲載した。


 中国にも「醤油」と呼ばれる調味料があり、日本の醤油にそっくりだ。主に老抽・生抽の2つに分類されていて、日本でいう濃口醤油と淡口(うすくち)醤油のように、見た目の濃さが違い料理によって使い分けられている。しかし、日本と中国の醤油は「味わい」に大きな差があり、記事の中国人筆者も日本で刺身に醤油をつけて食べたとき、日本の醤油が魚のうまみをうまく引き出している、と感銘を受けた記憶があるそうだ。

 同じ醤油なのに、日本の醤油はどこが違うのだろうか。記事は「熟成期間」が違うと指摘している。JAS規格では、日本の醤油は熟成期間の違いにより5つに分類されている。
熟成期間が長い順に、溜・再仕込・濃口・淡口・白と分けられるが、全体の流通量の8割を占める濃口醤油は、およそ3カ月から2年の年月がかけられているようだ。

 中国の醤油も、昔は熟成に長い時間がかけられていたと言われる。しかし新中国設立以降、急激に増加した人口に対応するため、それまでの時間のかかる自然発酵から低塩固体発酵方式に変更し、1カ月以内で作れる醤油づくりが進められてきたようだ。熟成期間が短くて済み、かつ中国料理に合うような醤油を作るため、工夫を重ねて今の醤油ができたと言えそうだ。

 日本と中国の醤油は、似てはいるがまた違った味わいがある。記事の中国人筆者は、日本の醤油は卵かけごはんや刺身にぴったりだと紹介し、皆にも試してみてほしいと伝えている。
中国とはまた違う日本の醤油を、中国の人びとにも試してみて欲しいものだ。きっと日本の醤油の美味しさに驚くことだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)