急速な経済成長を実現した中国では、多くの人が豊かさを手に入れたと言われる。では、金融資産の観点からするとどうなのだろうか。
中国メディアの和訊網はこのほど、日本と中国の金融資産について比較する記事を掲載した。

 記事は、日本銀行が発表した資金循環統計を引用し、2021年9月末時点の家計の金融資産が、前年同期比5.7%増となる1999兆円に達し過去最高となったと伝えた。これは、日本人1人当たりで計算すると平均1587億円の金融資産を保有していることになると指摘している。

 家計の金融資産の内訳をみると、現金や預金が1072兆円、株式などは218兆円、投資信託は90兆円、保険や年金などは539兆円だったと紹介した。家計の金融資産が過去最高となった要因として、新型コロナの感染拡大によって消費の抑制が続いたことや、株価上昇で資産の評価額が膨らんだことなどを挙げている。

 では、中国の家計における金融資産はどの程度なのだろうか。記事は独アリアンツが発表したデータとして、2020年における中国の家計金融資産は総額で約130兆元(2300兆円)に達したと紹介した。また、1人当たりの純金融資産額は9万2643元(約165万円)となったそうだ。

 これは、2009年の1人当たりの純金融資産額が2万2434元(約40万円)だったのと比べると、11年で約4倍になったことを意味すると指摘し、中国人が全体としていかに豊かになったかを強調した。

 中国が豊かになったのは間違いないとはいえ、貧富の差が非常に大きいのも事実だ。中国政府は格差解消に向け、「共同富裕」というスローガンを掲げたが、どこまで不公平感を払拭できるかは現時点では不透明だと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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