日本では少子高齢化が叫ばれて久しいが、中国の少子化は日本以上に深刻化する可能性がある。中国国家統計局によると、2020年の出生率は1000人当たり8.5人で、過去最低となった。
中国メディアの百家号はこのほど、中国の若者の多くが出産を望まない理由について考察する記事を掲載した。

 記事によると、中国の若者の多くが出産を望まないのは「3つの理由」が考えられるという。その1つが「高すぎる住宅価格」だ。中国の現在のマイホーム価格はもはや若者が買えるような価格ではなく、親の資金援助を受けても20ー30年のローンを組む必要があり、そのあまりに大きなプレッシャーのため子どもを産む余裕がないと分析した。

 2つ目は「一人っ子で育った若者が多いため」だ。一人っ子政策の時に生まれた今の若者は、全体的にわがままで努力したがらない傾向が強いという。子育てには時間と体力が必要で、産むのも育てるのも忍耐が必要なので出産したがらないのだと説明している。

 3つ目は「経済的な理由」だ。仕事が不安定で食べていくのも難しい現状で、子どもを産んで育てる余裕などないと指摘した。中国では35歳を超えると再就職先を見つけるのも非常に難しくなるため、将来への不安も関係しているという。また、「仏系」と呼ばれる低欲望の草食系が増えており、お金がないこともそうだが、生活上の様々な困難や競争で若者は疲れ果ててしまっていることも要因だとしている。

 中国政府は、出生率向上のために今では3人目の出産も容認するようになったが、少子化の傾向は止まる気配がない。
塾を禁止するなど教育費の負担軽減を狙った政策も行ってはいるが、さらなる有効な対策が求められていると言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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