訪日旅行客による爆買いに代表されるように、中国人の消費行動はこれまで何度も社会現象となってきた。2010年代には「代購(代理購入)」をする中国人が、ドラッグストアなどで化粧品や日用品を大量に買い込む姿をよく見かけたが、今では見ることが少なくなった。
中国の動画サイト・西瓜視頻は19日、「私が代理購入をやめたわけ」と題する動画を配信した。

 この動画を配信しているのは日本で暮らす中国人女性だ。7年前の来日と同時に代理購入を始めたそうだが、今は代理購入からは足を洗い、「自媒体(セルフメディア)」を始めたと紹介している。自媒体とは日本で言うユーチューバーのような動画配信を指す言葉だ。この女性はなぜ自分が代理購入をやめたのか、代理購入でどのくらい稼いできたかを紹介している。

 まず、日本に来たばかりの頃は、ちょうど日本で暮らす中国人の間で代理購入が流行っていたと紹介している。結婚して家庭に入り、子どもがいて外に働きに出られないこの女性のような人には、スマホがあればできる仕事として人気が高かったようだ。女性は、代理購入の世界では新米で常連客も少なかったが、2014年から2016年の間はかなり稼ぐことができ、「中国に家を買えたほど稼いだ」そうだ。

 しかしその後、2017年から2019年にかけて、ライバルが増えて競争が激しくなり、新型コロナ感染拡大で輸送も困難になり仕事がめっきり少なくなったと伝えている。この女性は指摘していないが、中国政府が代理購入を規制するようになったことも、大いに関係しているだろう。

 現在の中国では、この女性のように動画配信をする人が非常に多い。コロナ禍では、巣ごもり需要と相まって、ライブ配信しながらネット販売をするライブコマースの市場も拡大しており、中国は目まぐるしく変化しているようだ。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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