中国の景気懸念が投資家心理の重しとなる流れ。中国本土では、不動産デベロッパーや地方政府の債務問題、消費活動の低迷など不安材料が山積している。金融緩和の期待もやや後退。寄り付き前に公表された中国の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが引き下げ予想に反し4.20%に据え置かれている。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.55→3.45%に引き下げられたが、予想(3.40%)ほどではなかった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が7.4%安、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が4.9%安、保険事業で中国2位の中国平安保険(2318/HK)が3.5%安と下げが目立った。東方海外については、中間決算の8割減益が嫌気されている。
セクター別では、中国の証券が安い。中信証券(6030/HK)が6.5%、中信建投証券(6066/HK)が4.9%、広発証券(1776/HK)が3.5%、国聯証券(1456/HK)が3.4%ずつ下落した。当局の中国証券監督管理委員会は18日、ブローカーの証券取引手数料を引き下げるよう指示。手数料収入の縮小が懸念された。
物流関連の銘柄も急落。
空運セクターもさえない。中国3大エアラインの中国国際航空(753/HK)が3.1%安、中国東方航空(670/HK)が2.5%安、中国南方航空(1055/HK)が2.1%安、空港運営・管理の海南美蘭国際空港(357/HK)が3.5%安、同じく空港運営の北京首都国際機場(694/HK)が3.0%安で前場取引を終えた。
他方、他の個別株動向では、薬品卸で中国最大手の国薬HD(1099/HK)が3.1%高。ハンセン・インデックシズ(HSI)が四半期ごとに行っている指数構成銘柄の定期見直しで、ハンセン指数の構成銘柄に新規採用が決まったことを材料視している。除外が決定した不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)も2.6%上昇した。
一方、本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.38%安の3120.18ポイントで前場取引を終了した。金融株が安い。エネルギー株、不動産株、インフラ関連株、素材株、空運株なども売られた。半面、酒造株は高い。メディア・娯楽株、医薬品株の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)