内外環境の改善が相場を押し上げる流れ。中国本土・香港の株式市場活性化策や、米国の利上げサイクル終了の期待感が引き続き投資家心理を上向かせている。米中関係の悪化懸念もやや後退。半導体など先端技術を巡る対立が続く中、米国のレモンド米商務長官と中国の王文涛・商務部長は28日に北京で会談し、貿易や投資に関する問題の解決に向けた協議の場を新設することで合意した。指数は前引けにかけて上げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が6.2%高、新エネルギー自動車(NEV)大手の比亜迪(BYD:1211/HK)が5.5%高、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が4.6%高と上げが目立った。BYDについては、中間決算の利益3倍増も刺激材料となっている。
セクター別では、自動車が一部銘柄を除き高い。上記した比亜迪のほか、北京汽車(1958/HK)が13.8%、理想汽車(2015/HK)が5.5%、小鵬汽車(9868/HK)が4.3%、長城汽車(2333/HK)が3.4%ずつ上昇した。北京汽車が公表した中間業績は32%増益。1~3月期が7.1%減益だっただけに、業績の回復が意識された。
中国不動産セクターもしっかり。
半導体セクターの一角も物色される。華虹半導体(1347/HK)が6.7%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)と中芯国際集成電路製造(981/HK)がそろって3.5%高で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.39%高の3141.82ポイントで前場取引を終了した。ハイテク株が高い。消費関連株、医薬品株、インフラ関連株、素材株、不動産株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。銀行・証券株の一角もうられた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)