投資家心理が上向く流れ。中国の景気懸念がやや薄らいだほか、米中関係の改善期待も支えとなった。中国の2023年国内総生産(GDP)成長見通しについて、証券ブローカーによる上方修正が続いている。直近では、シティグループが4.7→5.0%(↑0.3ポイント)、JPモルガン・チェースが4.8→5.0%(↑0.2ポイント)にそれぞれ引き上げた。米中関係を巡っては、中国の王毅・外交部長が今月中にも米ワシントンを訪問するもよう――などと伝えられている。11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に合わせ、習近平・国家主席とバイデン米大統領が会談する可能性も高まる状況だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が4.1%高、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)とバイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)がそろって3.4%高と上げが目立った。
セクター別では、中国の銀行が高い。交通銀行(3328/HK)が2.9%、中国農業銀行(1288/HK)が2.5%、中国銀行(3988/HK)が2.2%、中国建設銀行(939/HK)が2.1%ずつ上昇した。
中国不動産セクターも物色される。上記した龍湖集団のほか、融創中国HD(1918/HK)が10.0%高、旭輝(884/HK)が5.2%高、碧桂園HD(2007/HK)が3.4%高、広州富力地産(2777/HK)が2.5%高で取引を終えた。
海上輸送や港湾運営の海運関連セクターもしっかり。
一方、中国本土マーケットは中秋節・国慶節の大型連休で本日まで休場。週明け9日に取引再開する。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)