投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中東地域の地政学リスクが高まっている。イスラエルのネタニヤフ首相は28日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区の地上作戦について、「戦争は第2段階に入った」と表明した。戦いは長期化するとも述べている。また、中国であす31日、10月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表されることも気がかり材料として意識された。ただ、下値は限定されている。米中関係の改善期待が支え。中国の王毅・外交部長は10月26日~28日の日程で訪米し、バイデン米大盗聴やブリンケン国務長官などと相次いで会談した。11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に合わせ、習近平・国家主席とバイデン米大統領の会談が実現するとの期待も広がっている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が6.1%安と下げが目立っている。同社は27日引け後、1~9月期の天然ガス小売販売量が前年同期比で5%減少したことを明らかにした。中国の銀行も軒並み安。
自動車セクターもさえない。蔚来集団(9866/HK)が3.1%安、北京汽車(1958/HK)が3.0%安、広州汽車集団(2238/HK)と華晨中国汽車HD(1114/HK)がそろって1.6%安で引けた。
石油セクターも売られる。大手3社の中国石油天然気(857/HK)が3.4%安、中国石油化工(386/HK)が3.1%安、中国海洋石油(883/HK)が2.7%安、原油掘削の中海油田服務(2883/HK)が2.1%安で前場取引を終えた。
半面、医薬品セクターは高い。百済神州(6160/HK)が10.7%、翰森製薬集団(3692/HK)が7.4%、薬明生物技術(2269/HK)が5.8%、中国生物製薬(1177/HK)が4.1%ずつ上昇した。
「ニューエコノミー」銘柄も物色される。ハンセン科技(テック)指数は0.4%高と4日続伸。個別では、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.6%高、ファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(981/HK)が4.6%高、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が3.2%高と値を上げている。
一方、本土マーケットは小幅ながら5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.17%高の3022.91ポイントで取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)