投資家の慎重スタンスが継続する流れ。中国では影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題や、不動産支援策実行に対する不透明感などが依然としてくすぶっている。また、中国であす30日、11月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が公表される予定。PMIは前回から改善するとみられているが、27日発表された今年10月の工業企業利益総額は前月から大幅に鈍化しているだけに、結果を見極めたいとするスタンスも漂った。米長期金利の低下基調を好感した買いが先行したものの、指数は程なくマイナスに転じている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が11.0%安と急落。同社が報告した7~9月期決算は実質6割増益と堅調だったが、10~12月期のデリバリー収入鈍化を自社予想したことが嫌気された。
セクター別では、中国の不動産が安い。中国恒大集団(3333/HK)が9.2%、建発国際投資集団(1908/HK)が5.6%、遠洋集団HD(3377/HK)が5.2%、越秀地産(123/HK)が5.0%ずつ下落した。
中国自動車セクターも売られる。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が12.3%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が5.7%安、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.5%安、比亜迪(1211/HK)が3.4%安と値を下げた。
中国の保険・証券セクターもさえない。
半面、産金セクターはしっかり。霊宝黄金(3330/HK)が4.8%高、山東黄金鉱業(1787/HK)が3.5%高、中国黄金国際資源(2099/HK)が3.3%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が3.2%高で前場取引を終えた。昨夜のニューヨーク市場では、金先物相場が急伸。一時、5月以来の高値を付けた。
一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.27%安の3030.39ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。金融株、消費関連株、医薬株、公益株、インフラ関連株、空運株なども売られた。半面、半導体株は高い。素材株、エネルギー株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)