投資家の慎重スタンスが継続する流れ。中国では影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題や、不動産支援策実行に対する不透明感などが依然としてくすぶっている。不動産業界支援を巡っては、中国当局が国内金融機関に対して融資強化を要請。アナリストからは、銀行各社が2024年に業績の悪化を強いられる恐れがあると警鐘が鳴らされた。試算によれば、大手10行は2024年に不動産関連の不良債権に絡む890億米ドル(約13兆円)規模の引当金計上を迫られる恐れがあるという。
ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が12.2%安と急落。同社が報告した7~9月期決算は実質6割増益と堅調だったが、10~12月期のデリバリー収入鈍化を自社予想したことが嫌気された。
セクター別では、中国の不動産が安い。
中国金融セクターもさえない。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が3.1%安、招商銀行(3968/HK)が2.5%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.7%安、中国平安保険(2318/HK)が3.6%安、広発証券(1776/HK)が6.1%安、華泰証券(6886/HK)が5.2%安で引けた。
中国自動車セクターも売られる。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が9.2%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.8%安、比亜迪(1211/HK)が3.3%安、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.7%安と値を下げた。
半面、産金セクターはしっかり。
一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.56%安の3021.69ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)