中国経済の先行き不安が引き続き重しとなる流れ。足元では、景気鈍化を示唆する中国指標が相次いでいる。今月11~12日に開催された中央経済工作会議では、市場が期待する強力な景気刺激策導入の方針は打ち出されなかった。様子見ムードも漂う。中国国内では先週末までに、月次重要経済指標の発表が一巡し、香港は今週末からクリスマス連休に入ることもあり、積極的な売買も手控えられた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が11.7%安と下げが目立っている。同社は18日引け後、売掛金や無形資産にかかる減損引当金の計上により、2023年12月通期の純利益が32億~41億人民元(約640億~825億円)減少するとの弱気見通しを示した。
中国不動産株が軒並み売られる。融創中国HD(1918/HK)が11.6%安、華南城HD(1668/HK)が8.2%安、碧桂園HD(2007/HK)が7.5%安、旭輝(884/HK)が3.7%安と値を下げた。
レストランチェーンや酒造など飲食関連も安い。呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が8.4%、海倫司国際HD(9869/HK)が7.0%、九毛九国際HD(9922/HK)が3.9%、珍酒李渡集団(6979/HK)が5.3%、華潤ビールHD(291/HK)が1.6%ずつ下落した。
旅行関連の銘柄もさえない。
半面、新興EV(電気自動車)メーカーの一角は物色される。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が16.1%高、蔚来汽車(9866/HK)が5.7%高、小鵬汽車(9868/HK)が2.8%高と値を上げた。蔚来汽車については、アラブ首長国連邦(UAE)政府系ファンドの追加出資も支援材料。同社は18日引け後、UAE政府系ファンドのCYVNホールディングスから22億米ドル(約3130億円)の追加出資を受けると発表した。
一方、本土マーケットは5日ぶりに小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.05%高の2932.39ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。通信・ネット株、銀行株、酒造株の一角なども買われた。半面、不動産株は安い。医薬株、公益株、エネルギー株、素材株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)