米株高を好感した買いが先行する流れ。昨夜の米市場では、米利下げ期待を引き続き手がかりに主要指標のNYダウが前日比0.7%高と9日続伸し、5営業日連続で史上最高値を更新している。香港の政策にも期待感。香港政府は19日、8年間停止していた「資本投資者入境計画」(投資移民プログラム)を再開すると発表した。香港や隣接するマカオなどの経済が活性化するとの思惑も広がっている。また、中国政府関係者の間から景気懸念をけん制する発言が相次いだこともプラスだ。もっとも、中国の景気不安が完全に払しょくされたわけではなく、上値は限定されている。本土株安をにらみながら、香港の各指数が終盤にかけて上げ幅を縮小させた。朝方公表された実質的な中国政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り1年物、5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%、4.20%)に据え置かれている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が5.2%高、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が4.9%高、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が3.3%高と上げが目立っている。碧桂園服務株は昨日、2023年12月通期業績の弱気見通しが嫌気され11.7%安と急落していた。
セクター別では、カジノ関連が高い。
中国不動産セクターも物色される。上述した碧桂園服務のほか、華南城HD(1668/HK)が5.4%高、旭輝HD(884/HK)が2.6%高、龍湖集団HD(960/HK)が2.3%高、融創中国HD(1918/HK)が2.2%高で取引を終えた。商業不動産など開発の華南城については、20日期限の米ドル建て社債がデフォルト(債務不履行)回避されたことも買い安心感につながっている。
半面、通信ネットワークや半導体の銘柄群はさえない。京信通信系統HD(2342/HK)が4.7%、中国通信服務(552/HK)が2.5%、中興通訊(763/HK)が2.0%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.0%、晶門半導体(2878/HK)が1.6%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.03%安の2902.11ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)