投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国経済の先行き不安が依然としてくすぶっている。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、中国の4大国有資産管理会社(AMC)の長期発行体格付けを軒並み引き下げた。銀行の不動産業界向け不良債権が拡大するなか、AMCの業績悪化も進んでいる。また、米中関係の悪化なども警戒された。先週末の米株高などを支えに小高くスタートしたものの、指数は程なくマイナスに転じ、下げ幅を徐々に広げている。一方、朝方公表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り1年物、5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%、4.20%)に据え置かれた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が8.9%安、ビールメーカー大手の百威亜太HD(1876/HK)が7.8%安、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が6.8%安と下げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が軒並み安。上記した華潤置地や華潤万象生活のほか、融創中国HD(1918/HK)が8.7%、越秀地産(123/HK)が8.0%、遠洋集団HD(3377/HK)が7.9%ずつ下落した。
新興EV(電気自動車)関連も急落。浙江零ホウ科技(9863/HK)が9.3%安、中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が8.4%安、蔚来集団(9866/HK)が6.3%安、小鵬汽車(9868/HK)が6.0%安で引けた。
酒造やレストランチェーンの飲食関連も売られる。前記した百威亜太のほか、青島ビール(168/HK)が5.6%安、華潤ビールHD(291/HK)が5.3%安、海倫司国際HD(9869/HK)が7.8%安、九毛九国際HD(9922/HK)が7.1%安、海底撈国際HD(6862/HK)が6.3%安で前場取引を終えた。
本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.86%安の2807.90ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。消費関連株、医薬株、素材株、インフラ関連株、運輸株、ハイテク株なども売られた。半面、銀行・保険株の一角は買われている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)