6日前場の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比6.32ポイント(0.23%)安の2782.00ポイントと反落した。
 指標発表前に買いが手控えられる流れ。
中国では来週、8月の各種経済統計が集中して発表されるため(9日に物価、10日に貿易、14日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融)、様子見ムードも漂った。また、中国の景気懸念がくすぶっていることなども改めて重しとなっている。ただ、下値は限定的。中国人民銀行(中央銀行)の緩和スタンスが期待されている。人民銀・貨幣政策司の鄒瀾・司長は5日の記者会見で、預金・貸出金利のさらなる引き下げには一定の制約があるとしながらも、預金準備率の引き下げ余地はあるとの見解を示した。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が2.8%安、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)が2.1%安、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が2.0%安、電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)が1.5%安で引けた。
 不動産株もさえない。金地集団(600383/SH)が5.7%、新城控股集団(601155/SH)が1.7%、万業企業(600641/SH)が1.5%、保利発展控股集団(600048/SH)が1.2%ずつ下落した。医薬株、素材株、エネルギー株、インフラ関連株、食品・酒造株なども売られている。
 半面、証券株は高い。中国銀河証券(601881/SH)が5.7%、中国国際金融(601995/SH)が3.5%、華泰証券(601688/SH)が2.6%、中信建投証券(601066/SH)が2.4%ずつ上昇した。
業界再編の思惑が浮上。国泰君安証券(601211/SH)は5日、株式交換を通じて海通証券(600837/SH)を合併する計画を発表した(両銘柄は株式取引を一時停止)。そのほか銀行・保険株、公益株、自動車株も買われている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.32ポイント(0.99%)安の232.65ポイント、深センB株指数が5.10ポイント(0.47%)安の1067.90ポイントで終了した。
 なお、香港市場は台風警報発令に関する取引規定により、本日前場の取引は中止された。香港天文台は台風警報「シグナル8」を維持しているため、後場の取引も中止となる。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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