中国景気懸念が投資家心理を冷やす流れ。週末に公表された8月の中国経済統計では、小売売上高や鉱工業生産、人民元建て新規融資などが予想を下回り、不動産関連の統計は減少が続いている。先行して発表された物価や貿易の統計に関しても、デフレや企業活動縮小、内需不振などが懸念される内容だった。ただ、下値を叩くような売りはみられない。中国当局が経済対策を強めるとの期待が続いたほか、米国の大幅利下げ観測が支えだ。指数は徐々に下げ幅を縮小している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄は、本土不動産の下げが目立つ。華潤置地(1109/HK)が4.0%安、龍湖集団HD(960/HK)が3.7%安、中国海外発展(688/HK)が2.6%安で引けた。中国主要70都市の8月新築住宅価格は前年同月比で0.73%低下し、下落率は7月の0.65%から拡大している。また、1~8月の不動産開発投資は10.2%減。マイナス成長は2年以上続いている。
中国消費セクターも安い。
太陽光発電関連の一角も急落。福莱特玻璃集団(6865/HK)が6.8%安、協キン科技HD(3800/HK)と中国水発興業能源集団(750/HK)がそろって3.8%安、信義光能HD(968/HK)が2.8%安で前場取引を終えた。
半面、産金セクターは高い。山東黄金鉱業(1787/HK)が3.9%、中国黄金国際資源(2099/HK)が3.8%、霊宝黄金(3330/HK)が3.4%、招金鉱業(1818/HK)が2.2%ずつ上昇した。市況高が追い風。13日のニューヨーク金先物は連日で史上最高値を更新し、16日の取引でも上昇している。
一方、本土市場は中秋節の祝日で16~17日が休場となっている(香港市場は18日が休場)。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)