中国の景気刺激策が改めて材料視される流れ。中国人民銀行(中央銀行)など主要金融部門が24日、金融緩和や不動産業支援、株式市場安定など広範な施策を公表して以降、投資家心理が上向いている。足元では、住宅購入規制緩和を受けて、一線都市(北京、上海、深セン、広州)の不動産取引が急増し、国慶節連休中の消費支出も活発化していると伝わった。中国政府は近く、追加の財政出動に乗り出すとの観測も市場で流れている。著名エコノミストの賈康氏(元財政部傘下の研究所所長)はこのほど、中国は最大10兆人民元(約209兆円)の特別国債を発行し、景気刺激に向けた財政支援を強化する余地があるとの見解を示した。中東情勢の緊迫化懸念などで売り先行したものの、下値は堅く、指数は程なくプラス圏に急浮上している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の上げが目立つ。薬明生物技術(2269/HK)が14.5%高、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が11.6%高で引けた。外電は3日、「両社は欧米資産の一部売却をそれぞれ計画しているもよう」と報じている。米政府による規制強化に対処するためのようだ。
証券セクターも急騰。
半導体やAI(人工知能)の関連銘柄も高い。晶門半導体(2878/HK)が70.4%、華虹半導体(1347/HK)が29.6%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が29.3%、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が21.0%、商湯集団(20/HK)が19.8%、北京第四範式智能技術(6682/HK)が15.4%ずつ上昇した。
ゼネコンなどインフラ建設セクターも物色される。中国建築国際集団(3311/HK)が9.1%高、中国鉄建(1186/HK)が8.4%高、中国中鉄(390/HK)が8.0%高、中国交通建設(1800/HK)が7.4%高で取引を終えた。
半面、海運セクターは安い。海豊国際HD(1308/HK)が10.5%、東方海外(316/HK)が8.0%、中遠海運HD(1919/HK)が7.3%ずつ下落した。米港湾労働者のストライキを巡り、労使は賃金交渉で暫定的に合意。スト長期化が回避されたことで、物流停滞による船運賃上昇の期待が後退した。
一方、本土市場は国慶節連休で10月1~7日が休場。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)