中国の景気支援スタンスが引き続き支えとなる流れ。中国当局はこれまで、金融緩和など経済対策を矢継ぎ早に打ち出している。今年の経済成長目標(5.0%前後)を達成するため、中国当局は財政出動など追加の刺激策を打ち出すとの見方も根強い状況だ。
ただ、上値は限定的。中国景気の先行き不安がくすぶっている。国際通貨基金(IMF)は22日に発表した最新の世界経済見通しで、中国の2024年経済成長率予測を前回の5.0%から4.8%に0.2ポイント引き下げた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が12.4%高、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が7.8%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が6.6%高と上げが目立った。周大福珠宝は昨日引け後、中間決算の42~46%減益見通しを発表。現時点で嫌気する売りはみられていない。
セクター別では、中国の保険・証券が高い。中国人寿保険(2628/HK)が3.7%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.5%、中国平安保険(2318/HK)が2.6%、申万宏源集団(6806/HK)が4.2%、中信建投証券(6066/HK)が1.6%ずつ上昇した。本土株の先高観がプラス。
自動車セクターも物色される。吉利汽車のほか、理想汽車(2015/HK)が6.3%高、広州汽車集団(2238/HK)が2.5%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.1%高と値を上げた。
そのほか本日は、中国飲料大手の華潤飲料HD(チャイナ・リソーシズ・ビバレッジ・ホールディングス:2460/HK)が新規上場。公募価格(14.50香港ドル)比15.0%高で取引を終えた。同社株は香港市場で今年最大の新規株式公開(IPO)となっている。
半面、発電や設備の電力関連は安い。華潤電力HD(836/HK)が6.6%、中国広核電力(1816/HK)が3.3%、華電国際電力(1071/HK)が3.1%、上海電気集団(2727/HK)が5.4%、ハルビン電気(1133/HK)が1.8%ずつ下落した。中国政府系の華潤電力については、第三者割当増資の実施計画などが嫌気されている。
一方、本土マーケットは4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.52%高の3302.80ポイントで取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)